ボナムス 73rdグッドウッド・メンバーミーティング・オークション

●2015.03.15 　グッドウッド／イギリス アメリアアイランドに続きボナムスは、イギリスのクラブマン・イベントであるグッドウッド・メンバーミーティング内で開催した。イギリスのエンスージァストを対象としたオークションだけに、その内容は極めてディープだった。  
オークションの頂点に位置するアメリアアイランド次は、いかにもイギリスというオークションがグッドウッドで開催された。グッドウッド・メンバーミーティングはグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードやグッドウッド・リバイバルに続き、昨年から行われている新たなイベント。1948年から1966年まで開催されていたオリジナルのグッドウッド・メンバーミーティングを復活させたもので、各カテゴリーのヒストリックカー・レースが行われた。このイベント共に開催されたのがボナムス・グッドウッド・メンバーミーティング・オークションなのである。 アメリアアイランドなどのトップレベルのオークションには、高価なアイテムが多く出品されるが、グッドウッドでは違っていた。エンスージァスト揃いのイギリスのベテラン趣味人が集まるイベントだけに、いつも以上のマニアックな品揃えが特徴だった。 昨年からボナムス・オークションに出品されているマラネロ・ロッソ・コレクションの放出車だが、ここではアバルトが5台出品された。あまりオークションに出ないアルミ・ボディを持つアバルトのコルサ・モデルだが、どれもアベレージ・コンディションだけに比較的安目の額で落札されている。 このグッドウッドで注目されていた1台のマセラティ・ティーポ 60/61 バードケージ・リクリエーションだった。クロスウェイト&ガーディナー製の忠実に再現されたリクリエーション・モデルでFIA HTPペーパーも付く。しかいオークションでは、少々微妙なポジションにあるクルマだけに7200万円の最低落札額に届かず流札してしまった。 ここで最高落札額を記録したのはフェラーリではなく、1955年型フレーザー・ナッシュ・ル・マン・クーペの8400万円とイギリスらしく、これ続いたのは1985年型アウディ・スポーツ・クワトロ・ロードバージョンの5168万円、そして1953年型ジャガー Cタイプ・リクリエーションは4664万円、貴重な1968年型ベントレー Tシリーズ・クーペ・スペチアーレ・ピニンファリーナ4503万円が続いた。さらに1982年型アウディ・クワトロ A1 グループ Bワークス・ラリーカーの4463万円が上位を占めた。 これらの高額車両のほかに注目を集めたのがレストア・ベースのプロジェクトと呼ばれるクルマたちだ。グッドウッドには3台のアストン・マーティンが出品され、それぞれ日本では理解できない額まで値を上げた。最も高値を付けたのが1962年型アストン・マーティン DB4 シリーズ IV プロジェクトの4624万円で、これに1966年型アストン・マーティン DB6 ヴァンテージ・プロジェクトの3495万円、1954年型アストン・マーティン DB2/4 プロジェクトの1479万円が続いた。このほか、かなり傷んだ1963年型ポルシェ 356B スーパー90 クーペ・プロジェクトは、オリジナル度が高く実走7.3万マイルということもあり、予想落札価格の倍となる580万円まで値を上げた。 ヒストリックカー・レース併催のオークションだけに、グッドウッドのイベントで活躍しているMGマグネットZAやオースチン・ミニMk-Iコンペティションに加え、当時トップドライバーが乗ったフォード・エスコート Mk-2 RS1800ワークス・ラリーカーは1539万円まで値を上げた。

1£(ポンド)=180円で計算　NS=落札不成立。日本円価格の括弧内の金額は、主催者が発表した予想落札価格。