トヨタ・ヴァーソ 1.6 D-4Dトレンド

公開 : 2014.04.10 22:40  更新 : 2017.05.29 18:48

■どんなクルマ?

トヨタの若いファミリー・ユーザー向けの7シーター・コンパクトMPVが、このヴァーソだ。その2014年モデルに試乗ができた。このヴァーソは、フォードC-マックスやルノー・セニック、そしてシトロエン・ピカソが直接のライバルとなるモデルだ。

2014年モデルでの変更点は、こまれでの自社製の旧い2.0ℓD-4Dエンジンに代えて、BMWから供給される1.6ℓターボ・ディーゼルが搭載されたことにある。110ps、27.5kg-mというパワー、トルクを持ち、22.2km/ℓの燃費と119g/kmのCO2排出量を持つエンジンだ。そして、6速のマニュアル・ギアボックスが標準となる。

これにより、現時点で市場に出回っている7シーターMPVとしては、最も良い燃費を持つモデルとなった。

■どんな感じ?

トヨタは、今回のフェイスリフトに際し、ミッド・レンジのトリムにも手を入れた。このトレンドと呼ばれるトリムもそのひとつで、ベーシック・モデルのオプション装備をいつくかまとめて標準で装備する。17インチ・アロイ・ホイール、ナビゲーション・システム、リアビュー・カメラ、フロント・パーキング・センサー、フロント・フォグランプ、プライバシー・ガラスなど、調度良い必要なものが取り揃えられている。

スタイリングは、トヨタがフローティング・ルーフ・エフェクトと名づけたルーフが特徴だが、今ひとつしっくりこないのも事実。また、Dピラーが黒くペイントされるため、夕暮れ時などはそこにピラーが存在しないように感じるものだ。

ヴァーソのキャビンは概して愉しく、仕上げもよく、広大だ。素晴らしいクロームの装飾がなされているが、色使いがいまひとつであり、そこの生命が感じられないのが残念。また、内側のドア・ハンドルが薄っぺらいのも気になった。

新しいディーゼル・エンジンは、非常に静かで滑らかだ。特にクルージングでは安定している。また、その効率も良く、カタログ値では22.2km/ℓ、現実的にも18km/ℓ台が望める。また、小排気量のターボ・ディーゼルにありがちな、ローエンドでのターボラグもなく、広い範囲で柔軟性を持つ。

ハンドリングも確実で安定している。その重さも適切で、ボディ・コントロールも良い。退屈ではあるが、正確で安全で親切な乗り味だ。また、その乗り心地も、ダンパーがボディをよくコントロールしているといえる。

■「買い」か?

ヴァーソを購入しようとするのに妨げる要因はない。その新しいエンジンと、適切なハンドリング、そして充実した装備は、その価格に見合うだけものがある。

(マット・ソーンダース)

トヨタ・ヴァーソ1.6 D-4Dトレンド

価格 £22,995(393万円)
最高速度 185km/h
0-100km/h加速 12.7秒
燃費 22.2km/ℓ
CO2排出量 119g/km
乾燥重量 NA
エンジン 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル
最高出力 110ps/4000rpm
最大トルク 27.5kg-m/1750-2250rpm
ギアボックス 6速マニュアル

▶ 海外初試乗 / トヨタ・ヴァーソ・アイコン2.0 D-4D

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