メルセデス・ベンツG500 4×4²

公開 : 2015.02.26 23:30  更新 : 2017.05.13 12:50

■どんなクルマ?

現時点ではロードゴーイング・コンセプトといった立ち位置であるけれど、2012年にデビューしたG63 AMG 6×6も最初はそうであったように、製品化の可能性は十分にある。

聞くところ、仮に英国で販売されるならば、今年末になるとのこと。価格は£200,000(3,697万円)以上になる見込み、というのが現時点で知りうる情報である。

ベースとなるのはG500ではあるけれど、シャシーはG63 AMG 6×6と共通するところが大きい。またボディ・ワークはG500との明確な差別化が図られている。

同時に、1気筒につき4つのバルブを備えた4.0ℓ V8ツインターボ・ガソリン・ユニットをもつ最初のメルセデス・ベンツでもある。

動力はメルセデス製7速7G-トロニックATを介して常時4輪に伝わる。ハイ/ロー・レシオ・ギアリングはG500から流用し、3つの機械式デフロックも備わっている。

通常のG500からG500 4×4²になるにあたっての主要な差異は、2対のストラット・スプリングとダンパーが組み合わされている点。これによってコンフォートとスポーツの2種のダンピング制御が可能となる。

また、ホイール・ハブ上部に横切るかたちで、固定車軸にハブ・リダクション・システムを組み込んだ専用設計のポータル・アクスルが鎮座する。よってG63 AMG 6×6と同じく450mmもの最低地上高を得るに至った。

基準車のG500が210mmであることを考えると、倍以上の嵩上げとなる。アプローチ・アングルは36°→52°、デパーチャー・アングルは27°→54°まで拡大している。

このクルマにとって極めて重要なランプ・ブレークオーバー・アングルは21°→47°に拡大済み。渡河水深限界は600mm→1000mmへと進化、転倒角度は28°→30°へと僅かではあるが大きくなっている。

トレッドはG500からなんと299mmも拡大されており、1475mmだった寸法は1774mmとなるに至った。また265/60 18インチのタイヤは、325/55 22インチに拡大。したがって見た目も強烈である。

■どんな感じ?

まずは乗り込む……というよりも、よじ登るといった具合でキャビンに身をおさめる。視界にはまず、見渡す限りレザーで覆われたキャビンがうつり、体にはサポートが豊かなシートがぴたりと張りつく。

急な角度でそそり立つフロント・ガラスや、上下方向に広いサイド・ガラスなど、すべては古風なものとなっているけれど、やはり乗り手をわくわくさせる空気感がある。ゲレンデならではの味わいだ。

ドア・トリムやインテリアのアーキテクチャーそのものも、今となっては古風なもの。ただし選び抜いたトリム素材やスイッチはどれもモダンなものにすり替わっているため、極めて現代的な味付けになっている。

トレッドこそ大きくなっているけれど、キャビンの幅は通常のG500と同様。したがって横方向の余裕が大きくなっているわけではないものの、依然として天地方向の余裕は写真のとおりたっぷりと用意されている。

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