スバルXV 2.0i-Lアイサイト

公開 : 2015.10.22 23:55  更新 : 2017.05.29 18:41

  • ホイールは、従来の星形に少しひねりを入れた新スタイリング。

2.0i-L Eye Sightの専用装備であるプッシュ式のスタート・スイッチを押すと、短いクランキングでFB20型の水平対向ユニットは目を覚ます。84.0×90.0mmというボア×ストロークを持つこのユニットは、水平対向の弱点でもある低中回転域でのトルクを確保するべく開発されており、じつに粘りのあるトルクデリバリーが特徴的。

やや起こされ目にセットされたスロットル・ペダルを踏み込むと、わずかに水平対向らしい鼓動感をペダル越しに伝えながら、車体はスルスルと加速していく。エンジン回転の上昇が早いわけではないけれど、エンジン回転数とスピードがシンクロして穏やかに伸びていく感じ。

2ℓクラスの4気筒ユニットの場合、フケ上がりは鋭くてもスピードの「ノリ」はそこまでではなく、回転計の針を速度計のそれが追いかけるような印象を抱くケースも多いけれど、XVの場合はその正反対だ。AWDの駆動システムもあって、車体サイズから考えると車重は1410kgと決して軽量というわけではないが、粘りのある出力特性と確実なトラクション能力によってスルスルと車速は伸びていく。

ハンドリングに関してはマイナーチェンジ前と目立った変更はないが、しっかりと手応えのあるステアリング・フィールは好印象。操舵は決して重くはないものの、適度に落ち着きを感じさせるハンドリングは安心感が高い。それでいてペースを上げていくと、フロントにも駆動輪を持つとは思えないほどノーズは軽く向きを変える。

クルマのキャラクターに合った軽快な走りっぷりを実現しつつ、ちょっとした山道や悪路ぐらいなら不安を感じさせない手応えを併せ持つハンドリングは、このサイズのフルタイムAWDを作り続けてきたスバルならではという感じ。スタイリングやカラーリングは若年層への意識を感じさせるけれど、実際に走らせてみるとミドルサルーンを乗り継いだミドルエイジでも違和感なさそうな落ち着きを持つ。決して「外観先行で作り上げた都会派SUV」などではないのである。

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