スズキ・ビターラ1.4 S

公開 : 2015.12.15 23:40  更新 : 2017.05.29 18:41

ビターラ1.4 Sのターボ・ガソリン・エンジンのもたらすパワー感の威力は抜群だが、それに負けぬほど提示価格も(わるい意味で)威力抜群である。

■どんなクルマ?

ここ英国で、もっとも売れている小型SUVのなかからお気に入りの1台を選ぶとするならば日産キャシュカイ(日本名:デュアリス)スコダ・イエティが有力候補となるが、それ以上に同クラスを牽引しているクルマがある。スズキ・ビターラだ。

この小さなオフローダーの歴史に関しては、政治家のエドウィーナ・クリーが英国の卵にはサルモネラ菌が繁殖していると大げさに報道し、国内の鶏卵業を困らせた1988年まで遡る必要がある。

つぎつぎとライバルが高級志向になっていったなか、ビターラは、あくまでバジェット優先のカスタマーのためのモデルでありつづけてきた。よって、現行モデルももっとも安価なもので£13,999 (257万円)からとなる。

しかしこちらのスポーツ・グレード ‘S’ の価格は、同じ1.4ℓブースタージェット・エンジンを搭載しているにもかかわらず£20,899(384万円)からと少しばかり高く感じる。

デフ・ロックつきの4WDシステム、7つのエアバッグ、オート・エアコン、プライバシー・ガラス、可変クルーズ・コントロール、LEDヘッドライトを含む装備品が価格を正当化しているとスズキはいう。

さらに、ブラックに塗装されるアロイ・ホイール、光沢のあるドア・ミラー、リア・スポイラーを装着。室内にはナビ、スウェード地のシート、赤いアクセント、エア・ベント、アルミ製ペダルが組み合わされる。

あたらしいエンジンはコンパクトで軽量であるだけでなう、ターボとエキマニをシリンダー・ヘッドに一体化することでガス・フローを有効化できるため評判がいい。アクセルから瞬時に足を離してもターボがストールすることを防ぐバイパス・バルブや、負荷の軽い走行時にウェイストゲート・バルブを開き、ブーストの効率化を図る仕組みもあらたに採用している。

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