三菱ミラージュG

公開 : 2016.02.11 23:40  更新 : 2017.05.29 19:26

■どんなクルマ?

三菱を代表するコンパクトカーのミラージュが、内外装を一新するマイナーチェンジを受けた。現行モデルは2012年に発表されたグローバルモデルで、国産コンパクトカーの代表格であるトヨタヴィッツホンダフィットよりさらに小さなボディを持つ。欧州基準でいうところのA〜Bセグメント車であり、かつて1978〜2000年まで発売されていた、1.3〜1.6ℓを中心としたミラージュとはまったく異なるモデルとなる。

その現行ミラージュは日本をはじめ欧州やアジア各国で販売されているが、生産は日本国内ではなく、タイ・チョンブリー県に新たに建設された工場にて行われ、全世界へ向けて輸出される。生産拠点をタイに移設した理由はコストを抑え、身近な車両価格を実現するため。実際に各製造部品の現地調達率は70%を超えており、タイ生産による「輸入車」と言っても差し支えはないだろう。なお他社では日産マーチが同様にタイ現地生産車を日本へ輸入して販売しており、車両のセグメントだけでなく、あらゆる面でガチンコの競合車となる。

世界戦略車として2012年に誕生した現行ミラージュは、1.0ℓと1.2ℓという2種類のDOHC3気筒エンジンを搭載。もっとも安いモデルでは99.8万円という軽自動車をも下回る車両価格が注目されたけれど、日本での販売は決して好調とはいえなかった。その主たる要因には内外装の質感の低さが挙げられ、車両の製造コストを抑えるために採用したデザインや素材が大きく影響してしまった。

この「質感」については、生産国であるタイ市場においてもウィークポイントとして挙げられてしまったようで、実際のところ思ったような販売台数は記録できていないようだ。そこで今回のマイナーチェンジでは、外装のデザインはより上質かつアグレッシブさを感じさせ、インテリアでは見た目や触感のアップに重点が置かれている。

エンジンに関しては1.0ℓが消滅し1.2ℓのみのラインナップとなったほか、オートストップ&ゴーと呼ばれるアイドリング・ストップ機能に、時速13km以下に減速した段階でエンジンがストップする「コーストストップ」を追加。そのほか低フリクションタイプのタイミング・チェーンを採用するなどの変更により、JC08モード燃費は0.4km/ℓ向上した25.4km/ℓを達成している。

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