ミニ・クーパーSコンバーチブル

公開 : 2016.02.17 23:30  更新 : 2017.05.29 19:14

前席に腰を下ろすと車体が全般的に大きくなっていることがわかる。全体的にスペースが増しているのだ。特に足元、ショルダー・ルームにはゆとりがある。

後席はそれ以上に広く感じる。横幅は合わせて34mm大きくなっているとのことで、足元が前後方向に36mm増している。大きな進歩である。バックレストはこれまでどおり2分割してホールドできる。

トランク・ルームはミニ・コンバーチブルの強みとはいえないが、それでも35ℓ大きくなっている。ルーフをあげた状態で215ℓ、おろした状態で160ℓが確保されているのだそうだ。

2.0ℓの4気筒ターボ・エンジンは、これまでのユニットと比べると9psと2.0kg-m強化されている。扱いやすく柔軟性なのはこれまでどおり。低回転域の押しだしの強さは、明らかに増している。

エグゾースト・ノートもこれまでより聴き心地がよく、吸気音は静かになった。回転が増すにつれて、音量も大きくなるのだが、決して高圧的な類ではない。

マニュアル・ギアボックスは、これまでのものより小さい力でコクリとゲートに吸いこまれる。前後の移動距離も短くなっている。シフト・ダウン時は自動でブリッピングしてくれるので、あとはブレーキと操舵に集中すればいいだけである。

車体の粘りづよさには不満はなく、コーナーで姿勢を変えてからのバランスにもまるで不安はない。さまざまな種類のコーナーに対して適応能力があり、先代に比べると穏やかだが望ましい動きをする。

エレクトロ-メカニカル・ステアリングは、低速域の軽い操作にもかなり素早く反応する。速度を増していけば、違和感を与えない程度に重みが増していく。ダイレクトでもある。

タイトなコーナーではわずかながらのボディ・ロールが看取されるが、ぶわぶわと車体が揺れ、不安になるといったことはない。飛ばして楽しい。ミニの本当の旨味を味わうことができる。

静止状態からフル加速を試みた時だけ、多少のトルク・ステアは看取されるが、これは特殊なシチュエーションだといっていいだろう。それ以外は、元気がよく、かといってマナーを軽視しないクルマである。

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