グッドイヤー・ベクター4シーズンズ

公開 : 2016.03.04 23:40

  • 日本市場には複数のオールシーズン・タイヤが揃う。ベクターにつくM+Sマークなどの冬用タイヤ刻印がないものも店頭に並ぶのでよく確かめよう。

  • 「一番バランスがよかった」とノア・ハイブリッドで疾走する今尾特派員。ラリードライバーのように4輪ドリフトを繰り返す。

  • 4x4向けスタッドレスのアイスナビSUVとRAV4の組み合わせ。さすがに走破性は抜きん出ていた。

  • ベクター4シーズンズとアイスナビを比較試乗。アイスナビほど細かいサイプを持たないベクターではアンダーステアが散見された。

  • 冬タイヤとして認証を受けるベクター4シーズンズ。今度はドライ/ウェット性能を試したい。

  • 夏冬交換不要の生活用タイヤとしては、ベクターは便利なことこの上ない。

■どんな感じ?

磐越自動車に入ると、雪国であった。グランデコスノーリゾートの駐車場には雪がしんしんと降り積もる。気温マイナス5℃の、それはそれはさぶい日であった。

ここで、ベクター4シーズンズと、真正スノー・タイヤのアイスナビの比較をすることができた。3年ほど前からオールシーズン・タイヤのスノー性能に力を入れており、この分野のパイオニアであると自負するグッドイヤーの自信の現れといってよかった。

テスト車両のメインは、新型プリウスであった。しかもFFと4WDの用意がある。4WDは後輪をモーターで駆動するE-Fourと呼ばれるシステムを持つ。サイズは195/65R15である。

路面は、圧雪路だけれど、ともかくしんしんとパウダー・スノーが降っている。状況は刻々と変わる。パイロン・スラロームなど、コースの設定が2種類あったけれど、結論を申し上げれば、ベクター4シーズンズのここでのスノー性能はアイスナビとほとんど同等であった。まことに素晴らしい。路面をつかんで放さない。駐車場に設けられたコースゆえ、車速せいぜい30km/hの範囲ではあるけれど、何事も起きない。粛々と周回するのみである。

とはいえ、一部にできていたアイスバーンではベクターはNGであった。アンダーステアが如実に出る。筆者は基本的にアホなので、コースアウトを何度も繰り返した。

スタッドレスだと、同じアイスバーンをフツーに走れる。とはいえ、進入速度を上げると、あらー、アカンもんはアカン。滑る時には滑る。雪道を侮ってはアカン。過信は禁物である。

■「買い」か?

積雪地方の住民ではない人の選択肢として大いにある。交換したタイヤの置き場に困らないし、夏用と冬用の交換の手間も要らない。生活用タイヤとして便利なことこの上ない。雪の季節を迎えるにはちょっと早いときのタイヤ交換時のチョイスとして一考する価値がある。

ただし、冬来りなば春遠からじ。季節は巡る。春が来たら、夏はもうすぐそこである。ウェット、ドライ路面の性能に関しては、筆者はテストしていないということを申し上げておかなければならない。

M+Sなので、SUVとかミニバンには好適であろう、といことはいえる。もっともそれは蛇足というヤツかもしれない。


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