アストン マーティン・ヴァンキッシュS

公開 : 2017.01.05 05:50  更新 : 2017.05.29 18:20

そこでエンジンは、出力が576psから600psへ強化され、トルクは64.2kg-mのままだが、発生回転域が拡げられた。排気系は新型となり、外装にはカーボン・パーツが追加されてフロント・リフトの減少に貢献する。

サスペンションにも手が加えられ、スプリング・レートは前後とも10%引き上げられた。リアのロール剛性は3%の向上だ。ダンパーも再チューンが施されている。

■どんな感じ?

しばらくヴァンキッシュを運転していなかったが、それでもエンジンをかけた瞬間、5.9ℓV12のサウンドが大きくなったことはわかった。

その後も3時間ほどの試乗中、常に大きな音量を発し続け、音質はややうつろな印象だったが、退屈だったり煩わされたりすることはなかった。

なかでも3000rpm付近でのシフト・チェンジ時のサウンドは実に好ましい。(もっとも、ほとんどの間、この程度の回転数で事足りてしまったのだが。)

たしかに、改良を受けた後でも、馬力はF12に見劣りする。しかし、600psで足りない状況というのはまず想像できない。DB11のV12ターボと異なり、強烈な加速感を味わうにはエンジンをフルに働かせなければならないが、それをするだけの価値もある。

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