BMW、トヨタのシステムを搭載した燃料電池車を公開

2016.09.26

BMWは、現在開発している燃料電池車(FCEV)のプロトタイプ車両について発表を行った。

今回公開された試作車は、5シリーズのフューエルセル・エレクトリック・テクノロジー・デモンストレーション・ビークルという水素を燃料とする車両だ。

ボンネット下にHVコンプレッサー、DC/DCコンバーター、さらにはトヨタとBMWの協業によるフューエルセル・システムを搭載。圧縮水素のタンクはセンタートンネルを貫くように縦置きされる。また、リア車軸周辺にはHVバッテリー、eモーター、ギアボックスを備え、BMWならではの優れた前後重量配分を実現しているのが特徴だ。

ドイツでは、2050年までに運輸業界において化石燃料への依存を脱却する目標が掲げられている。さらに2017年上半期中には、欧州の法案により、新しく作る車両の温室効果ガス排出目標が規定される。

これを受けてBMWでは、バッテリーEV(i3)と燃料電池車が共存するクルマ社会を提唱し、前者は小型・中型乗用車として都市内移動に利用し、後者は長距離用の大型車に適していると考えた。なぜなら、燃料電池技術は、再生可能エネルギーの貯蓄に大きな可能性があるからだ。

具体的には、BMWオーナーのプロファイルより航続可能距離は500km以上必要と定め、BMWの名にふさわしいダイナミクスと俊敏性を有するべきだと考えている。

プロトタイプ車両は、0-100km/h加速が8.4秒、最高速度180km/h、モーターの出力は200ps、走行可能距離は700kmに達するという。

ただ、顧客からの要望は、FCEVといえども価格は通常モデルの+10%の範囲にとどめるべきで、生産プロセスにおいてもゼロ・エミッションが求められているという。同社は脱カーボン車両を継続的に開発していくなかで、すべてのコンポーネントのコストを大量生産により抑え、くわえて水素という燃料の価格自体も下げていくことが大切だと考えている。また、トヨタと燃料電池技術の提携を行ったことで、FCEVの導入時期を2020年目標とし、さらには水素エネルギー・システムと水素インフラを確立し、業界スタンダードの構築をともに目指すとしている。

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