特別企画

2015.11.20

新交通情報サービス「VICS WIDE」対応、パナソニック・ストラーダの実力を試す

2015年4月、FM多重放送を使ったVICSの新サービス「VICS WIDE」の運用が始まった。これまで別途ビーコンユニットを追加しなければ利用できなかったDRGS(渋滞回避ルート案内)をカーナビに内蔵のFM VICS単独で実現したり、独自のプローブ情報に基づく高精度な所要時間の提供を受けられるなど、VICS開始以来19年ぶりとなる根本的なアップデートが図られている。VICS WIDEの利用に別売オプションや通信料は不要だが、カーナビ本体は新たに対応機種への買い換えが必要。対応機種は2015年秋の時点でクラリオン、ケンウッド、パナソニック(五十音順)の3社から発売され、VICS WIDE情報をどう料理するかが各社の腕の見せどころとなっている。今回はその中から、業界唯一のブルーレイディスク再生機能も備えたパナソニック・ストラーダの最上級モデル「CN-RX02WD」を東京都内で実走テストした。

text:Takeshi Naito (内藤毅) photo:Hidenori Hanamura (花村英典)
special thanks to: パナソニック 0120-50-8729 http://panasonic.jp/navi/
渋滞回避による再探索時、再探索前のルートとの新旧比較が可能(パナソニック独自)。新ルートを行く場合の距離と時間の増減も表示されるので、ドライバーは総合的に判断できる。
 

「VICS WIDE」はどこがどう良くなった?

VICS WIDE最大のユーザーメリットは、何と言っても外付けのビーコンユニットを必要とせず、カーナビに内蔵されたFM VICS単独でのDRGS(渋滞回避ルート案内、パナソニックでは「スイテルート案内」と呼ぶ)に対応したところにある。ご存じの通り、渋滞情報そのものは従来のFM VICSでも提供されていた。しかし、それを使ってできることは情報の画面表示までに限られ、渋滞情報を考慮したルート誘導は “交通管制” にあたるとして、FM VICS単独でのDRGSを原則許可してこなかった。分かりやすく言うと、「(交通管制を司る)警察庁が所管する光ビーコンを利用するカーナビにだけDRGSを認めます」という縦割りなロジックになっていたのである。今回のVICS WIDEはそのあたりの政治的な課題を解決してようやく実施に漕ぎ着けた、いわば歴史的なターニングポイントだ。もちろんユーザーにとっては良いことずくめで、これからカーナビを買うならVICS WIDE対応機種であるかどうかが重要な判断材料になることは間違いない。なお、VICS WIDEの情報は従来のVICSと上位互換性を持たせてあり、古いVICSカーナビが使えなくなってしまうことはないのでご安心を。

1万台のタクシーから吸い上げる独自のプローブ情報

さらに、VICS初となるプローブ情報(専用の通信機器を取り付けた協力車両から収集する走行速度などの情報)の活用で、より高精度かつ詳細な渋滞情報を提供できるようになった点もVICS WIDEの大きな特徴である。一般ユーザーから吸い上げたプローブ情報を活用するカーナビは既に一部のメーカー・機種で実用化されているが、これにはカーナビ側に双方向の通信機能を持たせる必要があり、当然ながら通信費用や会費も発生する。これに対してVICS WIDEのプローブ情報は一般ユーザーからではなく、プロジェクトに協力してくれるタクシーから吸い上げる方式にすることで双方向通信を不要にし、FM VICS経由での提供を可能にした。当面、プローブ情報が提供されるのは東京都内に限られるが、将来的には各地域への拡大が見込まれる。ちなみにプローブ役のタクシーの台数は、サービス開始時点で既に約1万台。東京都内のタクシー登録台数は法人・個人合わせて約5万台だから、実に5台に1台がプローブとして走り回る計算だ。絶対的な台数では一般ユーザー車両に敵わないものの、1台あたりの走行距離と時間(法人タクシー車両はほぼ24時間稼働状態にある)、特に渋滞情報が求められる都心部や繁華街、あるいは大規模イベント会場の周辺などがタクシーの主な棲息エリアであることを考えると、VICS WIDEが提供するプローブ情報の質はかなり高いと期待される。また、JARTICが提供する従来のVICS情報が幹線道路に限られるのに対して、プローブ情報はカーナビがルート探索可能な多くの道路を対象としていることから、いわゆる “抜け道” レベルの渋滞情報もカバーできるポテンシャルを持つ。

渋滞回避の頻度が上がった!

CN-RX02WDを装着したプリウスαで、実際にルート設定をして東京都心部〜臨海副都心の一般道を走ってみると、ビーコンユニットを接続した従来型のVICS対応カーナビと同等、またはそれ以上の頻度で渋滞を考慮したオートリルートが行われることに気づく。これは、DRGSの計算の元となるリンク旅行時間情報(主要地点間の所要時間)が光ビーコンでは次のビーコンの下を通過したときにしか更新されなかったのに対し、VICS WIDEではFM VICSと同じタイミングで5分ごとに自動更新されるためだろう。今回の実走テストでは目的地まであと1km弱の地点で最後のリルートが行われ、VICS WIDEはその存在感をしっかり発揮した。頻繁なリルートを煩わしく感じるなら、パナソニック独自の「ストラーダチューン」(後述)によって細かくカスタマイズすることもできる。また、これもパナソニック独自の新機能として、VICS WIDE情報に基づく渋滞回避オートリルートの際にチャイム音で告知→新旧ルートの比較表示→ドライバーによる新旧ルートの選択が可能になった。知らないうちにルートをどんどん書き換えられてしまうことに違和感を覚える人は意外と多いので、これもあって損のない機能だと思う。


パナソニック・ストラーダ 美優Naviのサイトでは、話題映画のブルーレイソフトなどが当たるプレゼントキャンペーンを実施中。このキャンペーンは、2015年12月24日までの期間にサイト内の設問に答えると、「バック・トゥ・ザ・フューチャー トリロジー」をはじめとした人気映画ソフトが当たるというもの。この機会に業界唯一のブルーレイ再生機能内蔵カーナビゲーション、美優Naviのキャンペーンサイトにアクセスしてみよう。

いっぽう、光ビーコン特有の狭域情報(自車位置前方の駐車場満空情報や旅行時間情報のポップアップ表示)や、電波ビーコンが提供する広域情報(高速道路上のリンク旅行時間情報など)はVICS WIDEで得ることができない。また電波ビーコンについては新世代のITSスポットへの置き換えが進み、徐々に使用範囲が狭まっているので、あらゆるシーンでDRGSをフル活用したい人にはITSの受信機能を備えたETC2.0車載機とのセットが最強のソリューションとなる。


 

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