特別企画

2016.11.25

プジョーの本懐、BlueHDiの実力

プジョー308 アリュール BlueHDi & SW GT BlueHDi

 text:Shigeo Kawashima (川島茂夫) photo:Hidenori Hanamura (花村英典)
撮影協力:MAZDAターンパイク箱根








フォルクスワーゲン社の米国における排ガス浄化不正で味噌を付けたクリーン・ディーゼルだが、電動が常識になるであろう遠い未来に至るまでの有効なエコ・パワーユニットなのは間違いない。PSA(プジョー・シトロエン・グループ)が発表した次世代ディーゼルも電動時代までの長い移行期間を見据えているのが特徴である。

現在、米国の排ガス規制は新車時と使用過程でガソリン、ディーゼルを問わずに規制値を定めているが、日本や欧州でも同様に強化され、これまで排ガス規制で甘やかされていたディーゼルには厳しい環境になる。PSAの新世代ディーゼル「BlueHDi」は2017年9月から導入される、現実的な使用条件すべてで規制値を満たさなければならないユーロ6フェーズ2のクリアを目的に開発されている。細かな解説は長くなるので省くが、窒素酸化物処理を行う尿素SCRを排気系最前位置にレイアウトするのも浄化能力の向上を狙ったものだ。

多少の誇張も含めればBlueHDiは「クリーン」を声高に主張できるディーゼルである。これはハイブリッド車がエコカーを主導する日本市場戦略には重要であり、プジョー・シトロエン・ジャポンは対ハイブリッド車戦略の要として今後BlueHDiを主力パワートレインとして展開する予定だ。その第一弾として投入されたのが508と、ここで試乗している308である。

プジョー308を簡単に説明すると、同セグメントのゴルフ同様に実用性を旨としたCセグメントに分類され、2013年に登場した現行車はモジュール設計を取り入れた新型プラットフォームを採用するなど、プジョー新世代と呼ぶに相応しい内容。そこにBlueHDiが加わってどうなったか?燃費と動力性能が向上は当たり前過ぎるが、パワートレイン全体の印象が随分と現代的になっていた。

308に展開されるBlueHDi車には1.6ℓのアリュールBlueHDiと2ℓのGT BlueHDiがある。

まずはアリュールを5ドアで試乗。アイドリング時も含めてディーゼルを意識させないエンジン音が印象的である。ガソリン車とも異質なのだが、「カン」「キン」といったディーゼル特有の硬質な燃焼音がない。穏やかな車外騒音を考えても、エンジン本体からの放射音が相当抑えられていると思われる。当然、走行中のエンジン騒音も耳に優しく、音量も控え目だ。

もうひとつ静粛性で有利に働いているのが変速制御。トルコン/遊星ギア型の6速ATを採用し、ノーマルモードで一般的な走行の常用回転数は1500〜2500rpmくらい。急加速でもなければ3000rpmを超えない。100km/h巡航回転数は1800rpm強であり、緩やかなスロットルの踏み込みで流れに乗せた巡航が可能。多少の加減速や登降坂でも巡航ギアを維持して済ますのは大トルクの為せる業。さして回転を高めることなく悠々と走ってくれる。

しかも最高出力は3500rpmで発生するものの、4000rpmを超えてもトルクの衰えは意識しない。さすがにレブ・リミットまで回して美味しいエンジンとは言いがたいものの、高回転でもすっきりと回ってくれる。スティックやパドルでマニュアル変速させるのもそれなりに「気分」である。



プジョー308 Allure BlueHDi

価格 2,990,000円
全長×全幅×全高 4260×1805×1470mm
ホイールベース 2620mm
乾燥重量 1340kg
エンジン 直列4気筒ディーゼル・ターボ1560cc
最高出力 120ps/3500rpm
最大トルク 300Nm/1750rpm
ギアボックス 6速オートマティック
サスペンション マクファーソン / トーション・ビーム
ブレーキ ベンチレーテッド・ディスク / ディスク
タイヤ 205/55R16
JC08モード燃費 21.0km/ℓ



next page:2.0ℓユニットを搭載した308ディーゼルの実力は


 

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