徹底解説

2015.06.02

ジャガーXE

BMW 3シリーズ、アウディA4、そしてメルセデス・ベンツCクラスというこのコンパクト・プレミアム・サルーン・マーケットを席巻しているドイツ車勢に対抗するモデルが、遂にジャガーから発売された。

決して成功とは言えなかったXタイプの終焉の後、6年もの時が流れたが、ジャガーは再びコンパクト・プレミアム・サルーン・マーケットに戻ってきたことになる。そして、今回のXEは、シャシー、パワートレイン、エクステリアおよびインテリア・デザインを含めそのすべてが一新されたばかりでなく、製造を担当する工場もソリハルはロードレーンのジャガー・ランドローバーの敷地内に新設された。この新しい工場は、その他のJLRのモデルも製造されることになるもので、サッカー場が24面入るという巨大なサイズ。そこに投資された額は£10億(1890億円)。年間25万台という生産規模を誇るものだ。

2010年にジャガー・ランドローバーのCEOに着いたラルフ・スペッツも言うように、まさに白紙から作り上げたクルマで、F-タイプ、このXE、そしてまもなく発表されるF-ペースとニュー・モデル・ラッシュの続く予定のジャガーにとっても最も重要なモデルであることは間違いない。

アルミニウム・ストラクチャーの採用、そして新たに新設計された4気筒ガソリンおよびディーゼルのインジニウム・エンジンなどといったメカニカル・パートの話題にも事欠かない。日本市場に導入されるのは3ℓV6ガソリンを搭載したXE 3.0 S、2ℓ4気筒ガソリン・ターボで240psのXE 2.5 Portfolioと、同じく2ℓ4気筒ガソリン・ターボで200psのXE 2.0 Pure、XE 2.0 Prestuge、そして2ℓ4気筒ディーゼル・ターボのXE 2.0 Diesel Pure、XE 2.0 Diesel Prestige、XE 2.0 Diesel R-Sportという展開だ。納入時期は、まずガソリン・モデルが9月以降、そしてディーゼル・モデルについては認可が現時点ではおりていないため未発表となっているが、ジャガー・ランドローバー・ジャパンのマグナス・ハンソン社長はそう離れた時期ではないと明言している。

エクステリア


F-タイプ同様に、ジャガー・ランドローバーで16年めを迎えるデザイン・ディレクターのイアン・カラム率いるチームがエクステリアおよびインテリアのデザインを担当している。その設計はすべて英国内で行なわれたという。

そのエクステリア・デザインは、もちろんまったく新しいものだが、現行のジャガーのテイストがそこここに引き継がれている。イアン・カラムも「アグレッシブなデザインにしたくなかった」とコメントしているように、決して奇をてらったようなものではなく、今までのジャガーを見慣れた人が共感できる、言ってしまえばコンベンショナルなものだ。スポーティな4ドア・クーペというのがその基本コンセプト。但し、そのボディの基本アーキテクチャーにアルミニウムを使用したため、目標とする造形を実際に作り出すには苦労をしたようだ。

確かにそのフォルムはこの手のコンパクト・サルーンとしてはロングノーズの4ドア・クーペ・スタイルで、ライバル達と比べても断然とスポーティな感じがする。特に、フロントのバンバーに開けられた大きなエア・インテークや、シャープなヘッドランプが、単なるサルーンではなく、走りのモデルであることを主張しているようだ。

ボディ・サイズは、全長x全幅x全高が4680x1850x1415mm。ホイールベースは2835mm。トレッドは、XE 3.0 Sでフロントが1600mm、リアが1585mm。乾燥重量は1710kgだ。Cd値は0.26と、メルセデス・ベンツCクラスの0.24に比べれば劣る値ではあるが、この数値は目標通りのものであり、このシェイプを考えれば充分なものであるという。

トップ・モデルのXE Sは、フロント・バンパー、専用ボディ・カラー、つや消しの黒のサイドシル、大きめの一体型ブートリド・スポイラーなどで構成される “S” ボディ・キットが付けられたモデルで、XEのラインナップの中でも、最もXEらしいスポーティ・サルーンが表現されたモデルとも言える。ホイールも、このXE S専用となる18インチのスター・シルバー・ツイン・スポークで、タイヤ・サイズは245/40ZR18、XE 2.5 Portfolioは18インチ・ホイールに225/45ZR18、そしてXE 2.0の両モデルが17インチ・ホイールに205/55ZR17という組み合わせだ。オプションではXE 3.0 Sには20インチ、その他のモデルについては19インチまでが選択可能だ。なおディーゼル・モデルのスペックに関しては、認可が降りる前ということで現時点で公表されていない。