徹底解説

2015.12.09

トヨタ・プリウス

“あたらしいプリウスがでるらしい” という記事をUK版AUTOCARで知った。スクープ画像を見た。ギョッとした。まさかこの通りになるわけないと自分に言い聞かせて事前説明会に向かった。スクープ画像のとおりだった。

けれど今はそんなことは微塵も思っていない。といえば嘘になるが、当初の驚きはもう感じないし、それどころかなじみ深ささえ感じはじめている。

ラテン語で ‘先駆け’ を意味するプリウスの、初代がデビューしたときも、思い起こしてみればギョッとさせられた。

‘プリウス’、あるいは ‘ハイブリッド’ がまだどこか遠い未来の言葉だった時からおよそ20年。本作で4代目となるプリウスは、最初は見る者を驚かすようなセンセーショナルなクルマだったが、気づけば街のいたるところで走り回るようになっていた。

‘先駆け’ ていたものが ‘デフォルト’ に。1年後、お馴染みのプリウスといえば、きっと、いや間違いなくこの形になっているのだろう。この記事を読むことで、そうなる理由が少しでもわかっていただければ幸いである。

エクステリア


デザイン・コンセプトは ‘ICONIC Human-tech(アイコニックヒューマンテック)’。頭のなかにひとつ、いやふたつ以上クエスチョン・マークが浮かんだ人は少なくないはず。

さらに説明を読みすすめると ‘先進機能が人の記憶や直感でわかり、一目でプリウスとわかるユニークなデザイン。エクステリア/インテリアともに、エモーショナルかつシンボリックなデザインを追求しています’ と書いてある。

クエスチョン・マークが増えたような減ったような……。

しかしここで諦めるのは尚早。あらゆる部分が緻密な計算のうえで成立していることが次第に明らかになってくる。

横から見てみる。サイドからリアの低い位置にラインが入っている。低重心であることを表現するためだ。ベルト・ラインを前傾させているのは躍動感を表現するためである。

実物を正面から見てみると写真で見るよりもフロント・マスクがかなり低い位置にあると感じるだろう。新式のプラットフォームがエンジンの搭載位置を低めることに成功したことが利している(ノーズ先端は先代-70mm)。

トヨタはこれを ‘アンダー・プライオリティ’ と呼ぶ。空力/冷却性能のみならず歩行者保護に配慮するゆえの必然的なデザインでありながら、個性を打ち出す。説明書きにも ‘トヨタ独自’ だと書かれている。凡庸なデザインよりいいではないか。

筆者をギョッとさせた大きな原因は、ヘッドライトの形状だ。大半はなめらかに継続するラインに慣れ親しんでいるだろうから、ヘッドライト下端が下にギュッと伸びていたりすると人は誰だって驚く。

しかしこれもトヨタの緻密な計算ゆえ。フロント・マスクにあえてやわらかなラインと硬質な張りを混ぜあわせることで、動きのあるフォルムを表現している。フォグ・ランプにはLEDが設定されている。

フード後端が62mm低くなったリアは、スポイラーからバンパー・サイドのコーナー・エッジへと独特な線形状を採用。テール・ライトも呼応している。上部から下方向へと、外に広がる造形にしたことで安定感を感じさせるという意図がある。

全長4540mm、全幅1760mm、全高1470mm (電気式4WDは1475mm)。ホイールベースは2700mm。Cd値0.24という数値は世界でも同クラスではトップ・レベルだ。

 

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