ボナムス・プレサービング・オークション

●2016.10.03 フィラデルフィア／PA／U.S.A.
秋になってオークションが数多く開催されるようになってきた。ボナムスはふたつの個人コレクション放出オークションに続き、アメリカ東海岸のフィラデルフィアでマニア好みといえるコアな内容で開いた。

 
コレクターズカー・オークションというと華美なクラシックカーやスーパーカーが居並ぶイメージがあるが、その対極といえる使い込まれたクルマやレストア前提のプロジェクト車両を主体とするオークションも存在する。その代表格が9月にイギリスで行われたビューリー・オートジャブルに併催されたオークションで、知らない人が見たらゴミにしか見えないパーツや残骸のようなクルマが堂々と出品され、それぞれがそれなりの額でちゃんと落札されるのである。

今回のアメリカのフィラデルフィアにあるシメオネ・オートモティーブ・ミュージアムを舞台に開催されたプレサービング・オークションは、そこまでジャンキーではないものの、数多くのプロジェクト車が用意された。またトラッドなファンが多い東海岸でのオークションだけに、20世紀初頭から1930年代のアメリカ車が数多く出品されたことも特徴といえる。

ここで最高落札額を記録したのは、1901年型ロコモービル・スタイル 5 ロコサリーの12.1万ドル／1235万円で、ここに1926年型パッカード・エイト 243 7座ツーリング（9.35万ドル／954万円）、1987年型フェラーリ・テスタロッサ（8.58万ドル／876万円）、1950年型ジャガー XK120 コンペティション・ロードスター／8.25万ドル／842万円）、1931年型リンカーン・モデル K コンバーチブル・クーペ（7.92万ドル／808万円）という渋いベスト5となった。モダンカーはテスタロッサだけということからも、このオークションの傾向が理解できる。

一方で落札額のボトムレンジを見ると、1914年型サクソン・ロードスター（1,100ドル／12万円）、1920年型フォード・モデル T ツーリングカー（6,600ドル／68万円）、1931年型フォード・モデル AR ランブルシート・スポーツクーペ（7,150ドル／73万円）、1917年型フォード・モデル T（7,425ドル／76万円）、1927年型ピアス・アロー・モデル80 7座セダン（7,700ドル／79万円）とヴィンテージ・モデルがフレンドリーな額で落札されている。

最近のオークションで人気の車種は僅かで、マニアックなラインナップをとくとご覧いただきたい。車名だけを見ても分からないモデルが多いと思われるため、ここでは出品された全車を、下のリストと同じ順でご覧いただこう。