今年のモントレーの傾向は? Part-1 「ボナムス・クエイルロッジ・オークション」

最終更新日:2017.08.21

ポイント4 明暗分かれたクラシックフェラーリ


フェラーリ関係では注目を集めていた250GT TdF(写真)とジョディ・シェクターが乗った312T5は、最低落札額まで入札が続かず共に流れてしまった。一時期4億円に迫る存在だった275GTBは2台が出品され、ロングノーズ・アロイが3億3880万円、275GTB/4は2億7709万円と以前の勢いはないものの健闘した。一方でフェラーリ・バブルを象徴した288GTOだが、2億円を少し上回る最低落札額まで届かず流れている。デイトナも以前の勢いはなくなり、275GTSやデイトナ・スパイダー、365GT 2+2も高値は期待できない状況になってしまった。

また328以降の量産モデルは以前の価格に戻りつつあり、走行距離が少ないなど特別な理由がないと高値が付かなくなってしまった。

ポイント5 ポルシェは拘りで356のみが出品


今回ポルシェは356とトラクターのみが出品されるというボナムスの拘りが見られた。実走行3万kmの356A 1600スーパー・スピードスターは5000万円超と思われる高い最低落札額のため流札してしまい、356SC 1600カブリオレも同様に最低落札額が高かったようで流れている。

いっぽうで貴重なポルシェ356 プリA 1500コンチネンタルは3171万円、356A 1600スピードスターは3267万円と順当に落札され、クーペの356SC 1600は872万円と以前の額に戻りつつある。

ポイント6 新旧のマセラティが数多く並んだ


このオークションにはマセラティが300Sからシャマルまでの8台が用意された。ファンジオが乗り優勝するという申し分ないヒストリーを持つ300Sだが、6億円超えと思われる最低落札額に届かず沈没。ファクトリー・プロトタイプでフルア・ボディのA6G/54グランスポール・スパイダーも3億5000万円まで入札が続かず流れている。ミストラル・スパイダーも流札してしまったが、ボーラと2台用意されたカムジンは相応の額で落札された。

ポイント7 オークションハウス3社重複の影響は

今年のモントレーウィークでメルセデス・ベンツ300SLは3つのオークションハウスからガルウイング・クーペとロードスターが出品され、入札者は事前の下見の時にシビアにチェックしていたようだ。そのため開催前に本命が決まっていたようで、ボナムスに並んだ2台も今ひとつ入札が進まなかった。ちなみにガルウイング・クーペが最近の平均より少し安い1億116万円で落札されたが、ロードスターは1億1000万円と思われる最低落札額に届かず流れてしまった。

いつも書くが、本当に価値のあるものは高く評価されるが、それなりのクルマはそれなりの額で取引される傾向が顕著になってきた。残る2社の結果は続いてご紹介しよう。

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