コラム&エッセイ

2016.12.02

目標はル・マン! 女子大生レーサー日記

第2話:なんとか編入 晴れてモータースポーツカレッジへ

4月から大学も無事に編入することができ、1年間クルマの構造や走行実習などを学びました。

授業は初歩的なところから。

エンジンの仕組みである、吸入/圧縮/爆発/排気、エンジンの合言葉、よいガス/よい圧縮/よい火花から勉強し、本当に無知なところからスタートしているわたしは何もかもが新鮮で毎日が勉強でした。

 
走行実習は、まずはカートから。同期の男の子たちはものすごい速さで横を駆け抜けていきます。わたしも! と思い、カートを走らせてみたのですが、ものすごい速さでスポンジ・バリアへ突っ込んでいきました。

みんな初めのほうは飛んで助けに来てくれたのですが、何度も何度もスピンするあまり、あきれた顔で見られてしまうほど。

同じカートなのに、どうしてわたしはものすごく遅いんだろう。みんなとバトルしたいのにバトルどころじゃない。とても悔しかったので、次の日からレンタル・カート場へ通うようになりました。

 
通ううちにだんだんコツを覚えてきたある日、学校のみんなとカートをしに行こう! という話になりました。場所はわたしが練習しまくっていた神奈川県のカート場。走行実習の屈辱をはらしてやる! と、心のなかで意気込んでいきました。

6人ほどで行き、みんなでレースすることに。

予選が終わってみると、走行実習でまともに走れなかった落ちこぼれだったわたしがなんと3位!

「おおー!」

おそらく自分が一番驚いていました。

 

そして初めての決勝レース。3位イン側スタート。スタートで前のクルマを抜いて……とイメージしながらグリッドに並び、いよいよスタート。

 
出だしはよかったものの、1コーナーを超え、2コーナー。前のクルマと車間距離が次第に狭くなり「いける!! いけ!」ブレーキングポイントを奥に突っ込むと……

ドーン!!

壁に激突。

せっかく3位だったのに最下位のフィニッシュとなりました。

自分でチャンスを無駄にして……。遊びではあったけど、とても悔しかったです。

そんなカートでのできごともありながら、レーサーになりたいという気持ちは膨らんでいくばかり。

 
一生懸命働いて貯めたお金で憧れていたレーシング・スーツとヘルメットを購入しました。自分でデザインを考えて♪

3回目の走行実習では4輪での実習が始まり、新品のレーシングスーツを身にまといながらルンルンで実習を受けました。

その日の実習はジムカーナ。マーチで広場にパイロンを立てて走りました。先生が即席で作ったコースを走行するのですが、「パイロンを目印にして!」とアドバイスをもらいみんなで下見走行もおこない、いざ、自分の番。

「……わからない」

みんなで下見走行した時の景色と自分が運転席に座った時の景色、「このパイロンを目印に」と言われたもののそのパイロンがどのパイロンだかまったくわからない。

何度も道に迷い、先生には「あいつはバカなのか……」と呆れられてしまうほどでした。

けれど授業と走行実習では、わたしのような問題児でも先生や仲間たちは見捨てずに受け入れてくれ、毎日充実し楽しく過ごしていました。

あっというまに1年が過ぎ、2年目となる年。事件は起きました。

レーシングドライバー 岩岡万梨恵

1993年生まれ。父がレース好きで3歳からF1を見に行く。現在マツダ・ウィメン・イン・モータースポーツに在籍し、今年からロードスターのスプリント・レースに参戦。幼少期から器械体操を続けて得意技はバク転、Y字バランス。趣味は旧車を眺めること。将来は井原慶子さんのようなル・マン女性ドライバーを目標とし、老後はヒストリックカーのレースで楽しむことも夢。
 
 
 

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