コラム&エッセイ

2017.03.12

クルマ漬けの毎日から

愛車のカタカタ、ギシギシ 誰のせい?

Hate your car’s squeaks and rattles?

 
みなさんは愛車からノイズが聞こえるのは嫌いだろうか? 専門家によれば、クルマを所有する人のほとんどはノイズを嫌うが、その発生源を探す人はめったにいないそうだ。最近はノイズの発生源は手荷物であることが多い。鍵、トランクやスーツケースの金具、買い物袋の中身がノイズの原因になるのはよくあることだが、プラスチックもノイズを起こすし、新聞紙がガサガサと音を立てる場合もある。

 
ノイズの発生を抑える最大の改善策は、ボディ剛性を高めることだろう。近年のボディシェルは、昔ほど振動やねじれを起こさない。1990年代に乗ったロールスロイスのシルバーセラフはとてもしなやかなボディのクルマだったので、段差を越える時にはシートクッションと背もたれがこすれ合ってノイズが発生することがよくあった。このことをロールスのサービスマネージャーに話したところ、「レザーがよくしなっているからですよ」と答えた。彼の身振りからすると、これは悪いことではなく、むしろよいことだと言いたかったようだが……。

 

 
ブルックランズにあるメルセデスベンツ・ワールドへ息子たちと一緒に行き、AMG GTでドライビングを楽しんだ(AMG GTには有料で試乗できる)。実際に出かけた人たちがよく言っているように、メルセデスベンツ・ワールドは家族で楽しめるよい場所だ。

ここにはショールームもあり、モデルイヤーが60年も離れている2台のガルウイングのクーペが並んでいた。1台は300SLで、もう1台はSLSだ。この2台はじつによく似ているが、車幅は大きく異なる。古い300SLのほうが50cmほど車幅が狭い。ロンドンの中心部を走るのにうってつけのクルマだと思った。自動車業界は、現代のクルマの車幅をそろそろ再認識すべき時期だろう。

 

 
テスラのトップで億万長者のイーロン・マスクは、水素社会は実現しないと話していた。「水素はいつも未来の燃料で、この先もずっと未来の燃料でしかないでしょう」と。少し前まで私はその言葉を信じていたが、今ではマスクは正しくないと思っている。水素には、製造、燃料化、貯蔵のどの点においても大きな可能性が見えてきたからだ。最近、ダボス会議で大手自動車メーカーとエネルギー企業などが構成するHydrogen Council(水素協議会)が発足した。また、その直後にホンダとGMは水素燃料電池システムを合弁会社で生産すると発表した(このシステムは、すでに計画している燃料電池車に採用される)。それに年末には、ドイツ政府が2億ポンドを水素の研究開発につぎ込むと決定している。またイギリスでも、ロンドンの高速環状線M25に初の水素ステーションがまもなくオープンしようとしている。

そして私にとって何ともうれしい出来事は、編集部(英国版)が保有するトヨタ・ミライのテストドライブを現在行っていることだ。750mile(約1200km)ほど走行したところだが、これまで試乗したクルマのなかでも極めて静粛性が高くてスムーズで、ベストな乗り心地と使いやすさを備えた1台だとわかった。1回の水素充填で270mile(約435km)の走行が実際に可能で、水素の充填はガソリン車と同じように簡単にできる。なのに、水しか排出しない。まさに奇跡だ。

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)


AUTOCAR 英国版 編集長 スティーブ・クロプリー

オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。新しく独特なものなら何でも好きだが、特に最近はとてつもなくエコノミカルなクルマが好き。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
 
 
 

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