社会人1年目、ポルシェを買う。

2020.04.30

【社会人1年目、ポルシェを買う。】第107話:ロング・ライド。そして結婚します。

目を背けてはならないこと

もう1つ、夜道をひた走りながら、決めたことがあった。

なにより目を背けてはならないのは、自身の、運転が上手ではないという事実だと思った。

前にも書いたけれど、同じクルマ/同じコンディションでハンドルを握っても、ジャーナリストの吉田拓生さんのほうが、コーナーの通過スピードが明らかに速い……。

速く走れることが、そんなに大事なのか? と言われればそこまでなのだけど(僕もそう思っていた)、この前の氷上練習会で、走りの基本を学んでおくのは、いま僕にとって大事なことではないかと実感として思えてきた。

速く走れるようになってから、速く走れることが大事なのかをジャッジすればいいしね。

サーキットで練習するにあたり、練習するクルマを探してみようと思った。

とはいえ、僕はもう既婚者なのだ。

「独身だからこそ、40年前のポルシェなんぞ、乗れているのだな」ともとれる質問をされた直後に、クルマを追加購入するなんて、ありなのか? と自分でもおかしいけれど、ひとまず妻に相談してみることに……。(妻、なんて、ちょっと恥ずかしいですね)。

機嫌のよさそうなタイミングを見計らって。

すると、

「いいじゃない」。即答であった。

「ただの物欲を満たすことで消えてゆくようなお金の使い方よりかは、よほどいいね」と言われ、さっさとこの話は終わった。

自分でも信じられないが、いろいろ聞き返した挙げ句、やぶ蛇になるのもアレなのでね。

というわけで、どんなクルマがいいのでしょう。そもそも買えるのか? リサーチが始まるのでした。

記事に関わった人々

  • 上野太朗

    Taro Ueno

    1991年生まれ。親が買ってくれた玩具はミニカー、ゲームはレース系、書籍は自動車関連、週末は父のサーキット走行のタイム計測というエリート・コース(?)を歩む。学生時代はボルボ940→アルファ・スパイダー(916)→トヨタ86→アルファ156→マツダ・ロードスター(NC)→VWゴルフGTIにありったけのお金を溶かす。ある日突然、編集長から「遊びにこない?」の電話。現職に至る。
 
 

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