クルマ漬けの毎日から

2023.03.14

毎年3月に行なわれていたジュネーブショーは、今年も開催されませんでした。しかし、ジュネーブショーは今年後半にカタールで復活し、2024年にはジュネーブでの開催も期待されています。

ジュネーブショー、復活への期待【クロプリー編集長コラム】

もくじ

3年前 ショー中止を喜んだ人も
待ち遠しい 本格的なモーターショー
カタールで ジュネーブ復活第一弾

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

3年前 ショー中止を喜んだ人も

3年前、新型コロナの感染爆発によりロックダウンとなり、また国際モーターショーが急速に勢いを失う前まで、私はこう考えていた。

モーターショーにうんざりしている人は、人生に疲れた人だと。

ところが、2020年にジューネーブをはじめとするいくつかのモーターショーが中止された時、自動車メーカーの人たちが、ショーの中止を喜んでいるように私には思えた。

だが、そんな彼らに、いつしか私は同情していた。

大手自動車メーカーが存在しないスイスは中立的だという理由もあり、伝統的に多くのメーカーが好んでジュネーブ・モーターショーに参加してきた。

メーカーの人たちは次のように言っていた。

限られたスペースと時間のなかで、マネジメントへの短い単独インタビューを細かくアレンジして、忙しいメディアの関心を引こうと他社と競争しても、得られるものは少ないと。

それよりも、独自にイベントを開催し、そのイベントを最大限有効に活用できる特定のメディアやジャーナリストを招待するほうが、ずっと効果が大きいのだと。

待ち遠しい 本格的なモーターショー

今年の3月も、かつてジュネーブのパレクスポで行なわれていた、あの特別なモーターショーは開催されないまま、過ぎようとしている。

新たな自動車シーズンが始まるこの時期に開催されるモーターショーの活気を、いま私は待ち望んでいる。

大勢の人々の笑顔、そして握手。

新型BMWのすぐそばに、新型プジョーが展示されていたりするのは、モーターショーならではの楽しい光景。非公式情報の一端をこの機会に解明しようと、取材にも力が入る。

2019年のジュネーブショー

時にはラウンドテーブルで、大勢のジャーナリストと一緒に質問することもある。

そういう混沌としたなかで、私たち取材陣は自動車会社の口が堅い経営陣からニュースを引き出そうと奮闘するが、彼らはなぜ自分がそこにいるのかわからないといった、とぼけた顔をしたりする。

そういう取材のできるモーターショーが戻ってくる日が、とても待ち遠しい。

カタールで ジュネーブ復活第一弾

奇妙なことに、ジュネーブショーは今年後半にカタールで復活するという。

また2024年には、かつてのようにジュネーブのパレクスポを会場とするショーも、開催が期待されている。

2023年後半、GIMS Qatar(ジュネーブ・インターナショナル・モーターショー・カタール)と呼ばれるモーターショーが、カタールの首都ドーハで開催予定。このショーには、ジュネーブショーの主催団体が関わる。

ジュネーブで、本格的なモーターショーが復活することを待ち望んでいるのは、私だけではない。これは確かなことだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。
 
 

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