クルマ漬けの毎日から

2023.04.14

1974年にデビューし、50年近くハッチバック市場を牽引しつづけてきたゴルフ。現行モデルは8世代目ですが、内燃機関のゴルフの9世代目は登場しないと決定されました。

フォルクスワーゲン・ゴルフ、内燃機関の次世代は登場せず【クロプリー編集長コラム】

もくじ

新風もたらした 初代

translation:Kaoru Kojima(小島 薫)

新風もたらした 初代

内燃機関のフォルクスワーゲン・ゴルフの次世代モデルは開発されないと決定した、と報道された。

デビューからずっとゴルフの歩みを見てきたので、このニュースを聞いて、個人的に5分間の黙祷を捧げたい気持ちになっている(1分間に10年分の黙祷で計5分)。

フォルクスワーゲンはゴルフの製造を1974年3月に開始。

私が自動車ジャーナリストの仕事をスタートして1年が経過した頃だったが、初代ゴルフがシンプルかつ素晴らしいデザインで自動車市場に新風をもたらしたことは、いまもはっきりと記憶している。

ホットハッチの代名詞となった初代ゴルフGTI(左)。ゴルフ誕生40周年に当時最新の7世代目GTI(右)と記念撮影。

取材を通して、ビートルを運転した直後に初代ゴルフに乗ったことがよくあったが、そんな時にはだれもが、未来をはっきりと見据えていた人たちに尊敬の念を抱かずにはいられなかった。

たとえば、初代ゴルフのデザイナーとして大いに称賛されたジョルジェット・ジウジアーロ。

また、ゴルフの製造をスタートさせ、フォルクスワーゲンを財政難から脱出させ始めたものの、ゴルフの販売開始からわずか1年で会社を去った最高経営責任者のルドルフ・ライディング。

彼らのことが、今も頭に浮かぶ。

8世代目ゴルフ(現行モデル)。クロプリー編集長は長年ゴルフを高く評価。友人に「お勧めのクルマは?」と尋ねられると、「ゴルフ」と回答することもしばしば。

だが、私はゴルフを自分のクルマとして買ったことはない。それに長期テストを行なったこともない。

そのことがとても悔やまれ、大きな間違いだったと、今ひしひしと感じている。

記事に関わった人々

  • スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    AUTOCAR UK Editor-in-chief。オフィスの最も古株だが好奇心は誰にも負けない。クルマのテクノロジーは、私が長い時間を掛けて蓄積してきた常識をたったの数年で覆してくる。週が変われば、新たな驚きを与えてくれるのだから、1年後なんて全く読めない。だからこそ、いつまでもフレッシュでいられるのだろう。クルマも私も。

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