クルマ漬けの毎日から

2025.05.19

ビスター・ヘリテージ(オックスフォード近郊)で、年に数回開催されるクラシックカーのイベント「ビスター・スクランブル」へ出かけました。今回最も印象に残ったのは、初期のランドローバーでした。

懐かしくて胸が痛い! クラシックなランドローバー【クロプリー編集長コラム】

もくじ

独特な魅力 初期のランドローバー

独特な魅力 初期のランドローバー

屋外イベントにうってつけの晴天に恵まれた日曜の朝、ビスター・スクランブルが公式に開門する8時半より前に到着しようと、7時前に家を出発。

だが到着した時には、すでにたくさんの人たちがクルマで現地に来ていた。どうやら、私と妻よりももっと熱い気持ちに駆り立てられたクルマ好きが大勢、このイベントに来ているようだ。

今回のイベントに展示されていた初期のランドローバー。1948年にランドローバー シリーズ1が誕生。その後シリーズ2(1958年~ )、シリーズ2A(1961年~)、シリーズ3(1971年~1985年)へと引き継がれた。

ビスター・スクランブルでの私たちの過ごし方は、いつも決まっている。会場を歩いて見て周り、このイベントの常連となっているたくさんの友人たちと会話を楽しむ。そして毎回、クラシックカー愛好家の好みがじつにさまざまであることに驚かされる。

今回は1機のスピットファイア(第二次世界大戦で使われたイギリスの戦闘機)が着陸するところも見て、そのあと近寄ってよく観察した。だが、何よりも私の目を引きつけたのは、初期のランドローバーの集団だった。古いランドローバーは年月が経つにつれて、ほかのクラシックカーとは異なる魅力がさらに増しているように思う。

ランドローバー・シリーズ2A 109インチ(1961年~1971年)

だが、妻が時々口にするあることを言った時、懐かしい気持ちに痛みが加わった。

「どうしてうちには、もう古いランドローバーがないのかしら。あぁ、まったく……」

かつて妻の実家ではシリーズ2A(1速と2速ギヤはノンシンクロ)を所有していて、彼女はそのランドローバーで運転を習い、免許の実技試験もそのシリーズ2Aで受けたという(注:イギリスの運転免許試験では、条件を満たせば、持ち込んだクルマで試験を受けることが可能)。だから、ずらりと並んだ古いランドローバーを見て、懐かしさでいっぱいになったのだろう。その気持ちはよくわかる。

「*今回のビスター・モーションでの火災にお見舞いを申し上げます。」

記事に関わった人々

  • 執筆

    スティーブ・クロプリー

    Steve Cropley

    役職:編集長
    50年にわたりクルマのテストと執筆に携わり、その半分以上の期間を、1895年創刊の世界最古の自動車専門誌AUTOCARの編集長として過ごしてきた。豪州でジャーナリストとしてのキャリアをスタートさせ、英国に移住してからもさまざまな媒体で活動。自身で創刊した自動車雑誌が出版社の目にとまり、AUTOCARと合流することに。コベントリー大学の客員教授や英国自動車博物館の理事も務める。クルマと自動車業界を愛してやまない。
  • 翻訳

    小島薫

    Kaoru Kojima

    ドイツ自動車メーカーの日本法人に在籍し、オーナーズマニュアルの制作を担当。その後フリーランスで翻訳をはじめる。クルマはハッチバックを10台以上乗り継ぎ、現在はクーペを楽しんでいる。趣味はピアノ。

関連テーマ

 
 

おすすめ記事

 

人気記事