コンコルソ・イタリアーノ フェラーリ70周年、マセラティ・ギブリ50周年

2017.08.19

モントレーウイークで最もカジュアルなイベントが「コンコルソ・イタリアーノ」。イタリア各メーカーの新旧モデルがカーメルにあるブラック・ホース・ゴルフ場のグリーンに集うお馴染みとなったイベントです。今年も数多くのイタリア車とそれを愛するファンが、世界中から集まりました。

text & Motohiro Yamazaki(山崎元裕) photo:Yasuhiko Sato(佐藤靖彦)

すべてのイタリア車のためのイベント

モントレー・カーウイークに開催されるイベントの中でも、カジュアルな雰囲気の中でイタリアンカーの世界を楽しめることで人気を集めているのが、コンコルソ・イタリアーノだ。その歴史はすでに30年以上にもおよび、すでにコンコルソ・イタリアーノの名前は、エンスージアストには広く知られている。

今年のコンコルソ・イタリアーノでは、フェラーリ創立70周年、そしてマセラティギブリのデビュー50周年が特集された。今年のモントレー・カーウイークで、フェラーリの創立70周年は、ほかのイベントでもとりわけ重要なテーマとされていた。ここではクラッシックはもちろんのこと、ネオクラッシック、そして最新モデルに至るまで、まさにフェラーリが残した70年の歴史を、ひとつのイベントで振り返ることができたのは、今年のコンコルソ・イタリアーノを訪れたファンには、何よりの収穫だったに違いない。

イタリアンカーを愛するエンスージアスト交流の場

「フェラーリ」、「ランボルギーニ」、「デ・トマソ」、「フィアット&アバルト」、「アルファ・ロメオ」、「マセラティ」、「ランチア」、「イソ&ビッザリーニ」、「スペシャル・コーチワーク」、そして「モーターサイクル」の各クラスに分かれて行われるコンクールは、もちろんこのイベントのメインとなるもの。だが実際にコンコルソ・イタリアーノを見学していると、ここはむしろ同じブランドを愛する、そして同じイタリアンカーを愛するエンスージアスト同士の、交流の場であるように感じられる。ちなみに主催者によれば、今年のコンコルソ・イタリアーノには、トータルで1000台近くのエントリーがあったという。

ここ最近は、その集客力の高さから、コンコルソ・イタリアーノは、メーカーがニューモデルをプロモーションする場としても積極的に活用されるようになった。昨年ここでワンオフモデルの「コード57」をお披露目した日本のKEN OKUYAMA CARSは、今年もそれに続くニューコンセプトカーの「コード0」を、前日にクエイル・ロッジで開催されたモータースポーツ・ギャザリングに引き続いて披露。KEN OKUYAMA CARSの名前は、ここから再び世界へと広く発信された。

逝去したトム・チャーダを追悼するプログラムも用意

カロッツェリア・ギアの時代に、デ・トマソ・パンテーラなどをデザインしたことで知られ、このイベントでもゲストとしてその姿を見ることが多かったトム・チャーダ氏が、今年6月に他界したことは、コンコルソ・イタリアーノのファンには、とりわけ悲しい出来事だったに違いない。今回のイベントでは、このトム・チャーダを追悼するプログラムも用意され、イタリアンカーの歴史を語るのに欠かせない、偉大なるカーデザイナーの死を悼んだ。
 

記事に関わった人々

  • 山崎元裕

    Motohiro Yamazaki

    1963年生まれ。青山学院大学卒。自動車雑誌編集部を経て、モータージャーナリストとして独立。「スーパーカー大王」の異名を持つ。フツーのモータージャーナリストとして試乗記事を多く自動車雑誌、自動車ウェブ媒体に寄稿する。特にスーパーカーに関する記事は得意。

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