JCCAニューイヤーミーティング・ファイナル 新春の定番クラシックカーイベント、42年の歴史に幕

2019.1.27

1977年より開催されてきた日本におけるクラシックカーイベントの草分けである、JCCAニューイヤーミーティングがその長い歴史に幕を下ろしました。その最後を惜しむように訪れた多くの来場者や参加者で、会場は例年以上に賑わっていました。

text & photo:Daisuke Ebisu (戎 大介)

日本に“クラシックカー”というカテゴリーを根付かせたイベント

「毎年1月の最終日曜日は、クルマ趣味人の新年会ともいえる・・・・・・」といった様な書き出しで今まで何度か書かせていただいた、JCCAニューイヤーミーティングのイベント・レポートですが、それも今年でひとまず最後となります。

本イベントはTACS(東京自動車クラブ)およびJCCA(日本クラシックカー協会)創始者の鈴木 正吾氏が中心となり1977年に初開催されたといいます。当時の日本には“クラシックカー”という括りでの自動車趣味は一般的にはまだ認知されておらず、その普及・定着を目指して実に42年もの間続いてきた、クラシックカーイベントの草分け的存在がこのニューイヤーなのです。

今回のイベントの冒頭、開会のあいさつで岡 政由JCCA会長はこう述べられました。
「現在では毎週のように日本各地でクラシックカーのイベントが開かれるようになりました。それは“クラシックカーという趣味の普及”という本イベントの主旨が達成され、その役目は果たしたと考えます」。
また、2020年の東京オリンピック開催に向けて、会場の青海臨時駐車場をはじめとした首都圏のイベントスペースの大幅な閉鎖・縮小なども今回の決定の大きな要因であったともいいます。

いずれにせよクラシックカーを愛する人々にとっては、いままで当たり前のようにあった新春の定番イベントがひとつなくなってしまうわけで、寂しさを感じたことでしょう。しかしながら、当日の会場は例年以上にショップブースやクラブスタンドの出展も多く、会場を訪れた多くのクラシックカーファンで賑わっていました。

常連から初お披露目まで、160台強の名車たちが並ぶ

ニューイヤーの目玉といえば、会場内にズラッと並べられた個人所有のクラシックカーたち。
会場の中心に用意された展示スペースには、Eタイプにマーク2といったジャガー、ヨーロッパとエスプリだけで1列を占めるほどのロータスがいるかと思えば、“縦目”のメルセデスやナローボディのポルシェ911ホンダ・エスにダットサン・フェアレディ、そして歴代のスカイラインといった、人気の高い旧車、さらにはプリンス・クリッパーやコロナ・ピックアップなどの商用車、三菱ミニカやダイハツ・フェロー、スバル360などの軽自動車まで、約160台あまりのエントリー車両が展示されました。オーナーの愛情を受け実動状態で保たれたクラシックカーたち。このイベントで何度か見かけた常連の安定感、そして最終回にしてはじめて目にする超レア車といった顔ぶれに、「本当に今回で終わりなの?」と感じるほどに充実していました。

檄レア車も参加のコンクール 今年は会場の全車が対象に

そして、毎年様々なテーマを決めてのコンクール・デレガンスもこのイベントのハイライトです。今年は展示コーナーおよびクラブブースのすべての車両が審査対象というからビックリです。クルマのオリジナル度やコンディション、稀少車を未来に遺していくオーナーの意気込みなどを評価、また、今回で最後となるだけに、ニューイヤーに縁のあるヒストリーを持つ車両やカークラブが選ばれ表彰されました。

コンクールの表彰式では、メインステージの前に選ばれた5台の名車たちが並び、1966年 三菱 2W400、1967年 トヨタカローラ、フェアレディ2000レーシング 1972年 SCCAチャンピオンカー(ダットサンSP/SRオーナーズクラブ)、1964年 クーパーT72 F3(HFR ヒストリックフォーミュラ・レジスター)、1964年 ホンダS600(HONDA TWIN CAM CLUB)の各車およびそのオーナーと所属クラブが表彰されました。

こうしてわが国初のクラシックカーイベントでもあったJCCAニューイヤーミーティングは、42年の歴史に幕を下ろしましたが、4月7日には富士スピードウェイでJCCAが開催するクラシックカー・レースイベント『JCCA 富士ジャンボリー』も開催されるなど、旧いクルマを楽しむイベントはこれからも続いていきます。そしていつの日か、ニューイヤーの意志を継ぐ新たなクラシックカーイベントの復活を期待したいですね。

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