ホンダNSX

公開 : 2016.08.25 02:40

インテリア

冒頭の360度カメラの映像を見てもらえば分かるように、NSXのインテリアにはいたずらにモータースポーツを連想させるような飾り立ては存在しない。

「ひらけた視界こそがスポーツカーとしての最大の魅力」 この初代NSXの思想を強く継承したと感じられるのが車内空間だ。

とくに3DQ超高張力鋼管の採用で断面を小さくしたフロントピラーと、位置を外側にオフセットしたドアミラー、それに低いダッシュボードを採用したのは、コーナリング時の前方と横方向の視野を広げるためである。

フロントフェンダーの盛り上がりが見えるため、タイヤの位置がつかみやすく、コーナリングのクリッピングポイントに定めをつけやすいのだ。

8.0インチのダイナミックTFTメーターは、中央にアナログ・デザインのタコメーターを配した。デジタル表示の速度計とカラーのインフォメーション・ディスプレイはそのタコメーター内に収められる。その両脇にはハイブリッド・システムの充電/アシスト状態、水温系、燃料計などを表示する。

インストルメント・パネル内部にはアルミ押し出し材のビームを配置し、目に見えない部分の軽量化とコクピット強度の向上を図っている。

ステアリングを握ると縫い目なく革が巻かれていることに気づく。9時15分と10時10分の位置でフィットする断面形状のステアリングホイールは、インナーフレームにマグネシウム材を使い、慣性重量の低減と高い剛性を確保している。

センターコンソールにはレバー類が存在せず、エレクトリック・ギアセレクターを中央に設置した。

シートは座面とシートバックの中央部にアルカンターラ表皮を配して体幹を支え、ドライバーの上体が滑らないようにしている。ヘッドレストはヘルメット装着時にも、頭部が前かがみにならない設計だ。

ドライバーの膝と車体が接する部分にはソフトパッドが配置され、長距離移動も快適に過ごせるよう配慮がなされている。デイリーユースやロングドライブもこなせるスポーツカーとして、新型NSXも初代のように長く愛されるモデルになりそうだ。

装備

新型NSXにはエンジンサウンド・マネジメントが搭載されるのだが、これがなかなかの仕掛けになっているのでここで取り上げる。

これは吸気側と排気側のふたつのシステムによって構成されるものだ。吸気側はインテークマニホールドに直結したパイプに吸気管の一部を分岐させ、キャビン上部に設けたサウンド・アウトレットから吸気音を発生する。排気側は、エグゾースト・パイプがサイレンサーへ誘導されるものと、サイレンサーを回避するものの2種類があることを利用。上流に設けた電動バタフライ・バルブを開閉することで、サイレンサーへの流量を可変しエグゾースト・ノートを最適にする。

吸排気側いずれもインテグレーテッド・ダイナミクス・モードと連携し、4種のモードに合うサウンドを提供する仕組みだ。

外装色はヌーベルブルー・パール、ソースシルバー・メタリック、バレンシアレッド・パール、カジノホワイト・パール、ベルリナブラック、ノードグレー・メタリック、130Rホワイト、カルバレッドなど8色を用意。

インテリアの素材およびカラーは、ミラノレザー/アルカンターラ・コンビシートを標準に設定。オプションで電動4ウェイ・パワーシート・セミアニリン・フルレザーを選ぶことができる。シートカラーは、エボニー、レッド、サドル、オーキッドの4色。

このほかにも工場オプションとしてカーボンファイバーのインテリア・スポーツパッケージ、エクステリア・スポーツパッケージ、リアデッキリッド・スポイラー、エンジンカバー、セラミック・ブレーキローターをカスタマイズ・オーダーすることができる。

先進安全装備としては各種エアバッグ、EBD付きABS、ヒルスタート・アシスト、車両接近通報装置、タイヤ空気圧警報システムなどを装備した。

車種構成はワングレードで、価格は23,700,000円。
 
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