コンチネンタルとは、そしてベントレーとは 2台の「傑作」 たしかな血統を知る
公開 : 2019.07.25 18:40

第2回:100年前のクルマ雑誌 ベントレーをどのように伝えた? 誌面を振り返ってみた
第3回:よく聞く「ブルートレイン」 一体なに? コンチネンタルGTが末裔 そのワケ
第4回:90歳の「年の差」 2台のベントレーに「初志」を見いだせるか? 実車で検証
第5回:ブルーに染まるベントレー ベンテイガ×3.5リッター・クーペ クルマ作りの本懐
ベントレーとは。コンチネンタルとは。そんな疑問を探るために、時代は違えど、目で見るだけでも共通点に溢れた2台を並べます。
もくじ
ー ベントレーを端的に語る2台
ー 再び高まるコンチネンタルの純度
ー ベントレーの過去と未来を結ぶもの
ベントレーを端的に語る2台
ル・マン24時間レースで6回もの総合優勝を遂げているメイクスでありながら、エリザベス女王陛下のために特注のリムジンを作りあげる自動車メーカー。
クルマに興味のないひとが聞いたら「ベントレーというのは、いったいどんなクルマなのか?」と不思議に思うことだろう。

ベントレーとはどんなクルマか? その答えを示唆するのは「コンチネンタル」と「貴族的」という2つのキーワードである。
「コンチネンタル」とはヨーロッパ大陸風という意味があり、その背景には産業革命をいち早く訪れた文化的な香りを漂わせている。
一方の「貴族的」とは読んで字のごとしだが、貴族は生まれつき裕福な暮らしを享受するひとたちであるだけでなく、戦いとなれば先頭に立つことで尊敬を勝ち得てきた歴史を持っている。そう、ベントレーは優雅にしてスポーティな血統を持ち合わせているのである。

そんなベントレーの気風を今日に伝える代表的なモデルが、1950年代に一世を風靡したRタイプ・コンチネンタルと、2003年に登場し今なお進化し続けている現行モデル、コンチネンタルGTだろう。


どちらも力強く流れる流体のような2ドアボディと、上質なインテリア、そして時代の頂点に君臨するほどの圧倒的な動力性能を秘めたグランドツアラーである。この2台は古い新しいといった価値観で語ることのできない、ベントレーのアイコンなのである。