【日本車/輸入車でテスト】グッドイヤー・アイスナビ・エイト いま求められるスタッドレスタイヤ

公開 : 2021.10.26 07:15

もくじ

降雪地の声は、氷上で停まる/曲がれるタイヤ
208で分析 氷に密着、ひっかく最新技術
ドライはどうか? 乗り心地は?

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降雪地の声は、氷上で停まる/曲がれるタイヤ

雲一つないすっかり晴れ渡った日の日中は、かるく汗ばむほどの暑さを感じながらも、爽やかな風が心地いい日本の秋。過ごしやすい季節であるが、冬はもうすぐでのんびりとしてもいられない。

自動車の冬支度といえばタイヤ。

降雪の予報をみてから慌てて買いに走っても、在庫があるかどうか怪しく、交換作業をしてくれるショップも混雑することだろう。朝晩に肌寒さを感じるようになったら、もう準備にとりかかるべきなのだ。

近年のスタッドレスタイヤは性能が飛躍的に向上し成熟期に入ったともいえるが、それでもまだ降雪地域のユーザーに調査すると、求める性能のトップにくるのは氷上でのブレーキング性能、およびコーナリング性能だという。そこで、グッドイヤーの最新作であるアイスナビ・エイト(ICE NAVI8)は、まず氷上性能を磨くことに注力した。

今回はそれを確かめるべく、福島県の磐梯熱海アイスアリーナでテストを行った。

まずはプリウスで、新旧アイスナビを比較

普通の靴では歩くのもままならないスケートリンクで、スタッドレスタイヤを履いたクルマで走ると上限のスピードはせいぜい30km/h程度。

ブレーキングのテストは進入スピードを20km/hに揃え、ABSを作動させた。制動距離は7~8m程度となるが、従来品のアイスナビ・セブンに比べるとアイスナビ・エイトはさすがに減速感が強く、実際に短い距離で止まれることを確認。走るたびに路面状況が少しずつ変化するのでバラツキはあるものの、それぞれ5回のテストで概ね50~70cmはアイスナビ・エイトのほうが制動距離は短い。ときには1mほどの差があった。

(上)アイスナビ・エイト(下)従来型のアイスナビ・セブン

グッドイヤーによる氷上ブレーキ性能の向上は8%となっているが、今回のテストでは同等以上だったわけだ。

それ以上に違いを感じられたのがコーナリングだ。

(上)アイスナビ・エイト(下)従来型のアイスナビ・セブン

アイスナビ・セブンでも路面状況を考えれば十分なグリップがあると感じていたが、アイスナビ・エイトで走り始めると、ステアリングの切り始めからグッと頼もしい手応えがあった。

タイヤが路面を着実に捉え、剛性感たっぷりにコーナリングしていく。オーバースピードになれば滑り始めてしまうが、スポッといきなり抜けてしまうのではなく、粘りながらジワジワと滑る感覚なので安心感があり、スピードが落ちてグリップが回復するのも早い。

アイスナビ・セブンに対する氷上コーナリング性能の向上は5%とされているが、コントロール性の高さと頼もしい手応えによって、もっと向上しているように感じられる。

スケートリンクに持ち込んだもう1台は、欧州ハッチバックの定番、プジョー208。上位グレードの208 GTを選んだ。アイスナビ・エイトは純正指定サイズの205/45 R17を履いている。

もう1台のテスト車として持ち込んだプジョー208に乗り換えて、同じコースを走ることにした。

記事に関わった人々

  • 執筆

    石井昌道

    Masamichi Ishii

    1967年生まれ。自動車専門誌の編集部員を経てモータージャーナリストへ。ワンメイク・レースへの参戦も豊富で、ドライビング・テクニックとともにクルマの楽しさを学んできた。国産車・輸入車のいずれの知識も幅広く、ジャンルを問わない執筆活動を行う。最近では、エコドライブの研究、それを一般ドライバーへ広く普及させる活動に力を入れている。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。

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