アストン マーティン・ヴァンテージF1エディション なぜコレクティブル確定なのか

公開 : 2021.11.12 11:55

コレクション追加の価値有り

スポーツプラスでは明らかに、エンジンの反応が先ほどより2ランクほど鋭く吹け、ステアリングのゲインのつき方もターンインの挙動も、俊敏になる。

3000rpmぐらいまでは思慮深く唸るようだったメルセデスAMG由来のエグゾーストノートは徐々に野性味を増し、6000rpmから一気に高く吼えるようなトーンへ変わる。

駆動レスポンスが鋭いだけでなく、トルクを途切らせず路面を捉え続ける接地性の質ごといい。

アクセルの踏み込みに対しリアが一瞬の短い沈み込みを伝えてきた刹那、リアが素早く地面を蹴り出す際のマナーが、アストン マーティンらしく繊細かかつ豪快でありながら、じつに解像度が高いのだ。

少なくともドライ路面ではそう簡単にリアをブレークさせないであろう、シャシー・ワイズな躾けを感じさせる。

無論、一般道では解き放ち切れないパフォーマンスだが、緻密なコントロール性が楽しめるスポーツカーであるがゆえ、決してメリハリある走らせ方でなく、クルージング・スピードですら、コーナーから次のコーナーへ躍動するようなFRらしい感覚が味わえる。

フロントのリップスポイラーとリアのディフューザーが低いため、街で駐車する際に多少気を使う必要はあるが、スポーツカー乗りの作法として苦になるほどではない。

いわばヴァンテージF1エディションは、アストン マーティンならではのストーリー性に加え、純粋に動的質感の上でも優れて凝縮度の高いFRスポーツ。

入門モデルとしても、すでにアストン マーティンを何台も乗り継いだオーナーにも、コレクションに加える価値ある1台なのだ。

アストン マーティン・ヴァンテージF1エディション 公式サイトをみる

記事に関わった人々

  • 執筆

    南陽一浩

    Kazuhiro Nanyo

    1971年生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。ネコ・パブリッシングを経てフリーに。2001年渡仏。ランス・シャンパーニュ・アルデンヌ大学で修士号取得。2005年パリに移る。おもに自動車やファッション/旅や食/美術関連で日仏独の雑誌に寄稿。2台のルノー5と505、エグザンティア等を乗り継ぎ、2014年に帰国。愛車はC5世代のA6。AJAJ会員。
  • 撮影

    神村聖

    Satoshi Kamimura

    1967年生まれ。大阪写真専門学校卒業後、都内のスタジオや個人写真事務所のアシスタントを経て、1994年に独立してフリーランスに。以後、自動車専門誌を中心に活躍中。走るのが大好きで、愛車はトヨタMR2(SW20)/スバル・レヴォーグ2.0GT。趣味はスノーボードと全国のお城を巡る旅をしている。

関連テーマ

人気テーマ

おすすめ記事