ホンモノ派の3列シートSUV キャデラック「XT6」のオン/オフ着こなし術

公開 : 2022.03.11 15:45

仕事モードは、上質・先進性で差をつけろ

明るく洗練された空間が広がるインテリアで特に筆者が気に入ったのは、リアルレザーとバックスキンを組み合わせた見た目の美しい意匠性と、上質をダイレクトに感じることができる滑らかな手触りのシート。

高級車にふさわしい仕立てが秀逸だ。SUVといえども大切なゲストやVIPを乗せるに値するフォーマルさを兼ね備えている。

運転席&助手席と同様にゆったりとしたスペースが確保される2列目は、前述したように左右独立のキャプテンシート。スライドやリクライニング調整が可能、さらにシートヒーターまでも装備。

これならエグゼクティブな雰囲気に包まれながら、即座に仕事モードにも切り替え可能だ。車内とはいえオフィス同様のパフォーマンスが期待できる。

さらに特筆すべきは純正のサラウンドシステムだ。

合計14個のBose製スピーカーを配した臨場感のあるサウンドが、車内での趣味や仕事に没頭できる贅沢な時間をアシスト。

Apple CarPlayとAndroid Autoに対応、Bluetoothでもスマホの音楽が簡単に再生できる。スマホのワイヤレス充電機能も装備するので、デジタルネイティブ世代の心に響く環境が整っている。

先進の9速ATと自然吸気V6の優雅な走り

また先進運転支援機能は、全車速追従機能付きACCや車線維持を支援するLKAが備わったレベル2相当。高速道路の渋滞も安全で快適な時間となりそうだ。

興味深いパワートレインは、最高出力314ps/最大トルク37.5kg-mの3.6L V6 NAエンジンを搭載、9速ATと組み合わせている。

2トン以上あるヘビー級の車体ながら、想像以上に加速が滑らか。俊敏かつ安定した走行性には少々驚いた。

また、業界トップクラスといわれる高性能AWDシステムは必要に応じて制御されるため、過酷な走行状況でも安心してハンドルを握ることができる。

前・後輪のトルク配分を1秒間に100回も最適制御するAWDシステム。車体を取り回す際に便利な360°映像を表示する高解像度カメラ。そして様々な運転支援機能など、先進のテクノロジーがXT6で過ごす時間をスマートにサポートしてくれる。

今回XT6に試乗して理解できたことは、プレミアムブランドながらも社会人のオンとオフに寄り添う、親しみの持てる車両だということ。

SUV発祥のアメリカが誇る1台は、心豊にする魅力が詰まっている。

キャデラックXT6プラチナム スペック

価格:899万円
全長:5060mm
全幅:1960mm
全高:1775mm
車両重量:2110kg
エンジン形式:3649ccV型6気筒ターボ
最高出力:314ps/6700rpm
最大トルク:37.5kg-m/5000rpm
ギアボックス:9速オートマティック
駆動方式:全輪駆動(選択式)
乗車定員:6名

▶️キャデラックXT6 公式サイトを見る
▶️キャデラック・ブランドサイトを見る

記事に関わった人々

  • 執筆

    小原れみ

    大学在学中に創刊されたアメリカの自動車カスタム文化を紹介する雑誌に影響を受け、インターンシップを経て編集部員に。1996年よりフリーランスのライターに転向。米国車やカスタム車両専門誌の執筆を中心にアメリカン・カルチャー全般を担当する。愛車は、熟練ビルダーである夫の指導を受けてフレーム製作から始めた1932年式フォードのホットロッド。無類の工具&ネジ好き。
  • 撮影

    宮澤佳久

    Yoshihisa Miyazawa

    1963年生まれ。日大芸術学部写真学科を卒業後、スタジオ、個人写真家の助手を経て、1989年に独立。人物撮影を中心に、雑誌/広告/カタログ/ウェブ媒体などで撮影。大のクルマ好きでありながら、仕事柄、荷物が多く積める実用車ばかり乗り継いできた。遅咲きデビューの自動車専門誌。多様な被写体を撮ってきた経験を活かしつつ、老体に鞭を打ち日々奮闘中。
  • 編集

    徳永徹

    Tetsu Tokunaga

    1975年生まれ。2013年にCLASSIC & SPORTS CAR日本版創刊号の製作に関わったあと、AUTOCAR JAPAN編集部に加わる。クルマ遊びは、新車購入よりも、格安中古車を手に入れ、パテ盛り、コンパウンド磨きで仕上げるのがモットー。ただし不器用。

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