【SVOの世界へ】ヴェラールSVAダイナミック、FペースSVR 英国で磨かれた理想のSUV

アウディA1クワトロ2.0 TFSI

■どんなクルマ?

それはクリスマスのちょうど2、3日前に、アウディは本当に出し抜けにA1クワトロを発表した。そして、それは僅かに333台しか製作されず、しかもすべて左ハンドル・モデルだという。更に、英国への割り当ては少なく、その数20台。しかも、19台は既に売れてしまっている。19人は252bhpの2.0 TFSIエンジンを搭載し、600もの新しいパーツが詰め込まれた、A1クワトロを購入した。

A1のプラットフォームは明らかに4WDを考えて造られている。というのも、エグゾーストの横に、カーボンファイバーのプロペラシャフトが通るだけのトンネルがあるのだ。スタンダードなフューエル・タンクはじゃまになったため移動され、その材質もプラスティックからステンレス・スチールに変更されている。

駆動は通常の状態では前輪にすべてのトルクを送り、状況に応じて電子制御の油圧クラッチで作動するマルチプレート・クラッチによってパワーが配分される。つまり、ノーマルではない状態になると、リア・ホイールにトルクが分配されるということだ。

トランスミッションはDSGが搭載されているように思うかもしれないが、残念ながら通常のスティックによる6速マニュアル・ギアボックスが組み合わせられる。

すべてのA1クワトロは、グレイサーホワイトのボディに光沢のあるブラックのルーフという組み合わせ。小さなルーフ・スポイラーがテールゲートの上にあるが、それ以外は極めて控えめだ。A1のバッヂは、クワトロのバッヂが付け加えられることによって移動している。

ベビークワトロのキャビンは、伝統的なVWグループの赤いステッチが入ったチャコールのシートが目を引く。R8のような、アルミ製のペダルと、どっしりとしたアロイのシフト・ノブも特徴だ。

■どんな感じ?

乗り心地の、シャシーのニュアンス、コーナーのグリップレベル、コーナーの立ち上がりでのトラクションなどは、今回われわれがテストした凍った湖で評価することは不可能だ。それはターマックのテストまで待って欲しい。252bhpと35.3kg-mのパワー、トルクでも、ふらつくようなことはない。アウディは0-100km/hを5.7秒で駆け抜けるとアナウンスしている。

洗練されたトラクション・コントロールを得た250bhp以上の4WDモデルは完全にFWDモデルを凌駕する。ハンドブレーキを使ってコーナーの頂点にクルマを向け、そしてドリフトをしながら立ち上がるといった芸当も簡単にできる。このクルマを買った19人が、これまでにない愉しみを手に入れることを確信した。

■「買い」か?

雪と氷の上でクルマを走らせることはとても愉しいことだ。しかし、われわれは真剣でもある。しかし、この小さいロケットの価格を知ると、笑顔も消える。なぜならば、A1クワトロの価格は41,020ポンド(492万円)もするからだ。それは335bhpのRS3スポーツバックよりも高く、ケイマンと同等のプライスタグなのだ。

われわれはA1クワトロの購入者は深刻なアウディストであると想像する。おそらく、SもRSも持っている人だろう。しかし、A1クワトロにはSのバッチもRSのバッヂもついていない。アウディは、S1がまだ開発途上にあると認めている。

A1クワトロは確かに珍しいモンスターだ。しかし、それが特別であるとは思えない。そして、その印象は一般道で試乗したところで、大きく変わるとは思えないのだが。

(コーリン・グッドウィン)

アウディA1クワトロ

価格 41,020ポンド(492万円)
最高速度 243km/h
0-100km/h加速 5.7秒
燃費 14.1km/l
Co2排出量 199g/km
乾燥重量 1390kg
エンジン 直4 1984cc
最高出力 252bhp/6000rpm
最大トルク 35.2kg-m/2500rpm
ギアボックス 6速マニュアル

 
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