スコダ・シティゴ 1.0 5ドア

公開 : 2012.02.20 15:08  更新 : 2017.05.29 18:40

■どんなクルマ?

スコダシティゴ5ドアの廉価バージョンで、59bhpの3気筒エンジンと5速マニュアル・ギアボックスを持つモデルを試乗した。価格はまだ正式に発表になってはいないが、3ドアの7500ポンド(94.6万円)よりも350ポンド(4.4万円)ほど高い価格になろうと、スコダはコメントしている。いささか疑わしい決断だが、スコダはコストカットのためにリアドアにポップ・アウト・ウインドーを採用したのだという。

3ドアと5ドアのシティゴは、共に3560mmの長さ、1650mmの幅、そして1480mmの高さを持つ。また、標準で251リッター、リア・シートを倒すことによって959リッターの荷室スペースを確保する。これはキア・ピカントの200リッター/605リッターを上回る値だ。

■どんな感じ?

街中ではシティゴの59bhp、9.7kg-mを絞り出す12バルブ・エンジンのパワーは十分に速い。5速ギアボックスも滑らかで軽いシフトタッチを持ち、ギアレシオも適切だ。電子制御の機械式ステアリングのフィールは一部にダルなゾーンがあるが、概ね軽く正確である。

オプションで用意される衛星ナビは、パーキングの際にはリア・ビューを映し出すので非常に有用だ。

最も印象的なのは、シティゴのシャシーとサスペンション・セットアップにある。ポルトガルの玉砂利をひいた道を走ったが、凸凹や段差をアブソーバがよく吸収してくれていた。最小限のスカットル・シェイクが、このクルマが小さなクルマであったことを思い出させてくれる程度だ。

スコダの主戦場である街中でなく、郊外の2級国道でも印象は良い。タイトなコーナーやヘアピンカーブでも、徹底したアンダーステアに終始し、929kgの重量を感じさせないほど軽快に走る。しかし、立ち上がりでクルマを押し出すようなパワーはこのエンジンにはないため、エンスージャスティックなドライバーにアピールするということはない。

ハイウェイでも、0.33という空気抵抗によって、風切り音は最低限に抑えられている。エンジンは74bhpと非力ではあるが、交通の流れに十分に乗れる。

ブレーキはフロントにはディスク、リアはドラムという組み合わせだが、スムーズにクルマを停止させるに足るもの。ブレーキング・フィールは非常に良い。

われわれがテストしたモデルはオプションの衛星ナビがついていた。チェコ共和国では、非常によく作動したのだが、ポルトガルではわれわれが期待するほどの精度をもたらしてくれなかった。

スコダが非常に見せたがっていたのは、オプションのシティ・セーフ・ブレーキング・システムだ。これは、リア・ビュー・ミラーに仕組まれたレーザー・センサーが、30km/h以下で危険を察知するとブレーキを踏んで危険を回避するというもの。しかし、実際に1.5メーター四方の塊りを空中に投げ入れたテストでは、あまりうまく機能しなかった。もう少し改良の余地がありそうだ。

■「買い」か?

スコダはパッケージも素晴らしくスタイリッシュなシティカーだ。27km/hの燃費と105g/kmのCo2排出量を稼ぎ出し、さらにスタート・ストップ・システム、ブレーキ回生システム、低抵抗タイヤを備えたグリーンテック・バージョンであれば29.4km/lの燃費と96g/kmのCo2排気量をマークする。この低パワーの5ドア・モデルは、街中はもちろん、多くの場所で能力を発揮する。もし、あなたがドライブにもっと自由を求めるのであれば、少し大きな兄弟車を選べばいいだけだ。

VWかセアトかスコダか、どれを選ぶべきかはあなたが決めれば良いことだ。バージョンによって経費は僅かにことなるが、どれにしても失望することはない。

また、シティゴは天然ガス・エンジンもラインナップに加わる予定だという。それは41.3km/lの燃費と、79g/kmのCo2排気量を記録するという。

(アレックス・カーステン)

スコダ・シティゴ1.0 5ドア

価格 7,850ポンド(99.1万円) 予想
最高速度 160km/h
0-100km/h加速 14.4秒
燃費 26.7km/l
Co2排出量 105g/km
乾燥重量 929kg
エンジン 直3 999cc
最高出力 59bhp/5000rpm-6000rpm
最大トルク 9.7kg-m/3000rpm-4300rpm
ギアボックス 5速マニュアル

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