海外初試乗

2012.03.28

ジーリー・エムグランドEC7 1.8GS

テスト日 : 2012年3月14日

価格 : NA

■どんなクルマ?

ボルボを買収したことで、ジーリー(吉利汽車)はもはや無名の中国の自動車メーカーではなくなった。そして、ついに英国に拠点を置き、本格的に英国市場に参入することとなった。同じ中国の自動車メーカーとなった上海汽車傘下のMGモーターは、英国での展開にかなり時間がかかっているが、ジーリーの対応は速い。ジーリー・オートUKを設立し、英国での販売を開始したのだ。

タクシー・カンパニーのLTI(旧カーボディース)を傘下に持ち、コベントリーに本社を構えるマンガニーズ・ブロンズ・ホールディングが販売にあたる。同社は既に40強のディーラー・ネットワークを持っているのだ。

われわれは上海で生産されるジーリーの最初のプロダクトであるジーリー・エムグランドEC7をテストした。ファミリー・サイズのサルーンとハッチバックが用意され、今年の後半に10,000ポンド(132万円)というプライス・タグを付けて販売される予定の車種だ。スタイルについてはほとんど見所がないが、価格は戦略的だ。

■どんな感じ?

ゴルフやモンデオと同じセグメントとなるエムグランドは、外見上は少なくとも気取りがなく上手くまとめられている部類に入る。各パネルもきちんと合っているし、ドアもしっかり閉まるようだ。

インテリアでは、まずはグレーとタンでコーディネイトされた固いプラスティック製のダッシュボードが目に付く。エア・ベントのプラスティックは薄っぺらで、センターコンソールにはぐらつきが見られる。ヨーロッパ車と同等のフィットやフィニッシュは、残念ながらこのクルマからは感じられない。

ベース・モデルのGSは、エアコンと電動ウィンドー、そしてCDプレイヤーを標準装備する。また、ハイエンドなバージョンでは、電動サンルーフ、電動本革シート、DVDプレイヤー、そしてステアリングにマウントされたオーディオ・コントロールなどが装備されるという。

EC7のシートは非常に固い。リア・シートのレッグルームには十分余裕があるが、ヘッドクリアランスは背の高い大人には厳しいサイズだ。また、リアの中央のパッセンジャーのための3点式シートベルトは、われわれがいままでに見たようもない不思議なものが使われていた。

一方、トランクルームのサイズは680リッターあり、十分なサイズということができよう。

エンジンは1.5リッターまたは1.8リッターのガソリン・エンジンが用意されるが、ディーゼルの設定はない。また、1.8リッターにはオプションで6速オートマチックの設定がされている。

スペックシート上では力不足に思える1.8リッター・エンジンだが、市街地走行では十分なパワーで、全く洗練されてはいないが、それでもヨーロッパのスタンダードは満たしている感じがした。

ステアリングは非常に軽く、中国車の特徴でもあるように乗り心地はソフトだ。上海で都心部のまっすぐな道では、ハンドリングに対する評価は難しいが、それでもEC7は荒れた表面の道を走っても落ち着いた乗り心地を味あわせてくれた。

おそらく遠くない将来に6速に変更されるだろう5速トランミッションは、正確な操作は可能だが、重さが感じられた。

ジーリーは、いままでの中国ブランドがヨーロッパでした失敗を繰り返さないようにすることに力を注いでいる。それは、ユーロNCAPのクラッシュ・セーフティで4ツ星を獲得したり、上級のトリムでは6つのエアバッグが装着されることからも推測される。

■「買い」か?

ジーリーが英国で販売する最初のクルマとしては出来は悪くないかもしれないが、それでもEC7がヨーロッパの主要なファミリーカーを脅かす存在にはまだ到底なることはできない。とはいうものの、フルサイズのファミリーカーが9,995ポンド(132万円)で買えるのだから、ユーザーはそこにはあまり大きな期待はないのかもしれない。とにかく、価格がエムグランドが成功するかどうかの鍵を握っていると言える。英国で販売がスタートする際には、燃費を考慮して、スタート・ストップ・システムを搭載してくるかもしれない。

ちなみに、ジーリー・オートUKは、2017年までにニュー・モデルを追加するとしている。

(マーク・アンドリュース)

ジーリー・エムグランドEC7 1.8GS

価格 12,000ポンド(158万円)
最高速度 185km/h
0-100km/h加速 12.0秒
燃費 15.4km/l
Co2排出量 181g/km
乾燥重量 1280kg
エンジン 直列4気筒1792cc
最高出力 137bhp/6000rpm
最大トルク 17.6kg-m/4200rpm
ギアボックス 5速マニュアル

 
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