アウディA1スポーツバック1.4TFSI

公開 : 2012.06.20 18:38  更新 : 2017.05.29 18:18

今この日本でハッチバックといえば5ドアである。今では国産Bセグでも海外では3ドアを用意しながら、日本国内では5ドアしか売らないくらい。というわけで、日本の皆さんのなかにはこれを待っていた貴兄も多いはず。

A1スポーツバックは既存のA1にリヤドアを追加したクルマだ。基本的にはそれ以上でも以下でもないが、せっかくの5ドアを少しでも活かすべく、ルーフラインが少し変わっている。ルーフ長が80mmほど後方に延長されて、同時に後席頭上部分が6mmほど高くなっており、それがリヤシートを“完全緊急席”から“一応は大人も座れる席”に変えている。ウエストライン以下は3ドアも5ドアも変わりなく、全幅が3ドア比で5mm大きいのは、ドアハンドルがよりボディの膨らんだ位置に移動したことによる。ボディそのものがワイド化されたわけではない。

日本導入モデルは既存の3ドアと同じパワートレインの1.4TSFI。つまりアイドルストップはつくが、本国で新登場した気筒休止ではない。装備内容もほぼ変わりなく3ドアの20万円高……だが、スポーツバックにだけスマートキーが標準装備(オプション価格8万円相当)となる。3ドアに対する重量増は20kgである。

ヘッドルームと室内幅が広がった後席空間はたしかに3ドアよりは広く、小柄な人ならギリギリ許容範囲か……といったところだが、VWポロより低めの前席ヒップポイントや絞り込んだキャビン形状で、さすがにポロのような本気のミニマム・ファミリーカーにはなっていない。体格を問わずに快適に過ごせるのは2名までだ。

今回は都心で短時間の試乗だったために、3ドアとの走りの差はわからなかった。オプションも含めると3サイズあるホイールのうち、今回は中間の16インチで、以前3ドアで試乗した17インチより確実に穏やかで快適だったが、低重心&ワイドトレッドのA1は大径の17インチを履かせても意外にオールマイティなのだ。

A1スポーツバックはまったく予想どおり、とくにサプライズもなかったが、それは悪いことではない。走りもビジュアルも、5ドア化にともなうネガは極小という意味でもある。

(文・佐野弘宗 写真・神村聖)

アウディA1スポーツバック1.4TFSI

価格 293.0万円
0→100km/h 9.0秒
最高速度 203km/h
燃費(JC08モード) 17.8km/ℓ
CO₂排出量(JC08モード) 130g/km
車両重量 1220kg
エンジン形式 直4DOHCターボ、1389cc
エンジン配置 フロント横置き
駆動方式 前輪駆動
最高出力 122ps/5000rpm
最大トルク 20.4kg-m/1500-4000rpm
馬力荷重比 100ps/t
比出力 87.8ps/ℓ
圧縮比 10.0
変速機 7段DCT(Sトロニック)
全長 3970mm
全幅 1745mm
全高 1440mm
ホイールベース 2465mm
乗車定員 5名
燃料タンク容量 45ℓ
荷室容量 270-920ℓ
サスペンション (前)ストラット
(後)トーションビーム
ブレーキ (前)Vディスク
(後)ディスク
標準タイヤサイズ 205/55R15

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