試乗記

2012.11.21

アウディA1 2.0 TFSI クワトロ

テスト日 : 2012年11月17日

価格 : 41,035ポンド(535万円)

■どんなクルマ?

アウディA1クワトロは、現行A1のマス・プロダクション・モデルの中でも最も強力なモデル、A1 1.4TSIブラック・エディションの182bhpよりも40%近いパワーを持つ、333台、しかも左ハンドルのみの限定モデルだ。そのEA113エンジンは、アウディTTSやフォルクスワーゲン・シロッコRに搭載されているものと同じである。

リアに油圧マルチ・プレート・クラッチを持つフルタイムのクワトロ・ドライブは、専用の6速マニュアル・ギアボックス、リア・アンチ・ロールバー、TTSから移植されたマルチリンク・リア・サスペンション、そして強力なブレーキと組み合わせられる。ステアリングは標準的な14.8:1というレシオのままだが、高価なカーボンファイバー製のプロップ・シャフトが用いられている。

何しろ、その価格は、ブラック・エディションの2倍にあたる41,000ポンド(535万円)というものなのだから。

ボディは光沢のあるブラック・ルーフと、リア・スポイラーが取り付けられ、18インチのホワイトのホイールが組み合わせられる。また、インテリアは、赤いステッチの入れられた固いレザー・シートが取り付けられる。

■どんな感じ?

座り心地の良い、アジャスタブル・ドライバーズ・シートに座り、アルミニウム製のギア・スティックを操作していると、それはまるでラリー・マシンのシーケンシャル・シフトを操作しているような感覚を思い出す。2.0リッターのターボ・エンジンとの組み合わせは、素早い加速をもたらす。その力は、レトロなラリー・マシンのようでもあり、少し遅れてくるシューというターボ・サウンドと共に爆発する。EA113エンジンにデュアル・クラッチを組み合わせなかった唯一の欠点は、シフト時のブリップ音がないことぐらいだろうか。

ブレーキ・ペダルのトラベルは短いが、その効きはよく調整されていて強力だ。

11月のワーウィックシャーのまさにクワトロに打って付けのつるつるとしたコーナーでも、ESPモードをスポーツにしておけばパーフェクトだ。素早いコーナリングでも安定しており、固い乗り心地ではあるが低速でも突き上げは少なく、大きなアンジュレーションでもアグレッシブなリバウンドを見せることもない。

しかし、ステアリングだけはそのダイナミックな味わいからは外れてしまう。低速では軽すぎ、レスポンスも良くない。しかも、フィードバックもあまり感じない類のものだった。

■「買い」か?

既に19台が振り当てられた英国のA1クワトロは完売してしまったため、手に入れることはできない。また、その価格が高すぎるのも問題だ。この値段を出せばRS3やポルシェ・カイエンが買えるのである。もし、その価格にビビらないようであれば、オーナーになる資格があるだろう。

しかし、普通の人は2013年後半にデビューするだろうS1を待つのが賢明であろう。

(リチャード・ウェーバー)

アウディA1 2.0 TFSI クワトロ

価格 41,035ポンド(535万円)
最高速度 245km/h
0-100km/h加速 5.7秒
燃費 11.6km/l
CO2排出量 199g/km
乾燥重量 1420kg
エンジン 直列4気筒1984ccターボ
最高出力 252bhp/6000rpm
最大トルク 35.7kg-m/2500rpm-4500rpm
ギアボックス 6速マニュアル

 
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