セアト・トレド 1.2TSI 85S

■どんなクルマ?

新しいセアトで、最もセールスを上げているモデルだ。確かにラインナップには、このモデルよりも低い74bhpの1.2MPIエンジンを搭載したモデルも存在する。そのモデルは、価格は安いが、非力で経済性も悪く、CO2排出量も高いため、道路税も高くなる。一方、より強力なガソリン・エンジン・モデルも、効率的なディーゼル・エンジン・モデルも存在するが、価格が高くなってしまうため、トレドの大きなセールス・ポイントを失うことになってしまう。

そういった意味で、この1.2TSIで唯一選択可能なSトリムの14,120ポンド(205万円)は、トレドのスイート・スポットということができよう。

■どんな感じ?

トレドと兄弟モデルになるスコダ・ラピッドのテストで、われわれが得た印象と同じで、大きな印象が残らないクルマだ。もちろん、どこかが間違っているとかいった意味ではない。トルクピークも低く、扱いやすいエンジンだ。静かではあるが、決して活発なパワー・ユニットではない。5速ギアボックスを駆使して前輪に積極的に駆動をかけないと、それなりの走りは披露してくれない。

一方、熱意を持って経済性を重視するドライビングをすれば、16km/ℓ台の燃費を稼ぐことは可能だ。

そのダイナミクスは、印象的ではないが許容できる範囲と言えよう。

前世代のフォルクスワーゲン・ポロをベースにしているため、そのキャラクターは非常に落ち着いたもの。すべてのコントロールは適度な重さをも持ち、気に触るようなこともない。乗り心地も、特にしなやかさはないが、不快な感じはしない。

ハンドリングは、その軽いフロント重量にも助けられることもあり、きびきびとした感じがした。

このクルマの本当の魅力はそのキャビンにある。アイキャッチの強いデザインではないが、がっしりとしたもの。そのマテリアルは、マーク&スペンサーというよりもDIYショップB&Qというものだが……。また、そのトランク・リッドを開けると550ℓの途方もないスペースが出現するのだ。

■「買い」か?

確かにトレドのラインナップの中にあってベスト・チョイスだ。軽いボディ・ウエイトもあって軽快なドライビングも味わえるし、価格と経済性を加味すれば最高の選択だろう。

決して愉しみを求めて購入するクルマではないが、そのバランスとスペースを考えれば、プライオリィ・リストのトップに上げるべきクルマであることは間違いない。

(マーク・ティショー)

セアト・トレド 1.2TSI 85S

価格 14,120ポンド(205万円)
最高速度 183km/h
0-100km/h加速 11.8秒
燃費 19.6km/ℓ
CO2排出量 119g/km
乾燥重量 1161kg
エンジン 直列4気筒1197ccターボ
最高出力 84bhp/4800rpm
最大トルク 16.3kg-m/1500rpm
ギアボックス 5速マニュアル

 
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