日産リーフ・ヴィシア

公開 : 2013.04.12 18:50  更新 : 2017.05.29 19:27

■どんなクルマ?

大がかなりなフェイスリフトを施された日産リーフは、このモデルから英国のサンダーランド工場で生産が行われるということだけでなく、相当なオーバーホールが施されたモデルである。そのエンジニアリングの変化は、前モデルに対して100箇所以上におよび、更にこのモデルからバッテリーを買い取る方式のほか、リースという手段も選べるようになったのも大きい。

そのトリムは、エントリー・レベルのヴィシアから、アシェンタ、テクナという3つのグレードとなる。最も安くリーフを手に入れる方法は、ヴィシアをバッテリー・リースとして購入する方法だ。車両本体価格は15,990ポンド(244万円)で、バッテリーのリース料が他に掛かることとなる。バッテリーのリース契約は、その年間マイレージと契約年数によって変化する。マイレージは、7500マイル(12000km)、9000マイル(14500km)、10500マイル(17000km)、12000マイル(19000km)、15000マイル(24000km)の5種類。そして契約年数は12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月の3タイプを選ぶことができる。最も易い契約は7500マイルで3年契約。この場合、リース料は月に70ポンド(10,700円)となる。10500マイルの場合は85ポンド(13,000円)、15000マイルの場合は109ポンド(16,600円)となる。

最も高いリーフの購入の仕方は、バッテリー込みで車両を買う方法だ。トップ・グレードのテクナを選ぶと、5,000ポンド(76万円)の政府から出される補助金を差引いても、25,490ポンド(390万円)となる。

リーフ・ヴィシアは、衛星ナビ、リアビュー・カメラ、折りたたみ式ミラーと、オートワイパーがなく、スチール・ホイールと4スピーカーのステレオが付くシンプルな装備だ。メカニズム的には現在のリーフのヒーターよりも最高70%効率的なヒート・ポンプが、このヴィシアのみ装備されない。

中間グレードのアシェンタになると、アロイ・ホイール、6スピーカー・ステレオに、ヒーターとチャージをリモートでコントロールできるカー・ウイング・アプリケーションが装備される。

更に、トップ・グレードのテクナになると、360度ビュー・カメラ、 BOSEの音響システム、LEDヘッドランプ、ヒーテド・フロント&リア・シート、ヒーテド・ステアリング・ホイールが装備される。

また、標準の充電器だとフル充電に8時間かかっていたが、このフェイスリフトに併せて4時間の急速チャージャーもオプションで用意されるようになった。

エンジニアリングの変化も大きい。充電器が30%サイズ・ダウンされ、その置き場所もリアからモーター・トップになった。更に、その電気モーター自体もフリクションが減らされ、5%効率的になったという。

■どんな感じ?

新しいリーフは、より確実で、より自信に溢れ、より安定し、クルマ自体もよりまとまった感じを受ける。オリジナル・バージョンのリーフをAUTOCARでは長期テスト車として1年間走らせた経験があるが、その時のモデルと較べて、この新しいリーフはステアリングが重くなっている。また、更にステアリングを切り込むとその重さが増すようなセッティングがされている。

重要なのは、路面の凹凸でクルマが浮いてしまわないように、ダンピングが慎重に再調整されていることだ。これは、高い速度でも、よりハードな足まわりになっているということでもある。われわれは、今回新しいリーフのテストを都市部の高速が最高80km/hに制限されているノルウェーで行ったため、実際に英国の高速道度でどのように感じられるかをコメントするのは難しいが、新型が第一世代よりも高速安定性に優れいることは間違いない。

都市部での乗り心地は、固くなったため、若干損なわれているような気がする。しかし、全体的なシャシーの味付けはヨーロッパ専用のものが与えられている。更に、英国日産によって道路の状態が悪い英国専用の足回りもセッティングされているという。ちなみに、オリジナルの日本仕様は、制限速度のある高速道路と、良く整備された道路事情を反映して、非常にライトなセッティングとのことだ。

■「買い」か?

あなたはリーフと駐めておく駐車場の確保ができ、そしてそこに充電器を設置することができるだろうか。もしノーならば、リーフはほとんど役に立つクルマではない。また、チャージをする場所も、時によっては寒さを防ぐことが出来る場所であるというのも重要なこととなる。

そんな問題もあるが、リーフが現時点で最も優れたEVであるということは疑いの余地はない事実だ。

EVの最大の敵は寒さかもしれない。しかし、その点でも新しいリーフは大きな改良が施された。今回テスト地となったノルウェーのオスローという最悪の状況下でも、その航続距離は70マイル(112km)をマークした。旧いリーフのヴィシアであれば、その距離は42マイル(67km)でしかない。但し、この距離を達成するためには、効率的なヒート・ポンプを持つアシェンタ以上のグレードを選ぶ必要がある。

1回の旅行が90マイル(145km)以下で、80マイル(130km)から120マイル(193km)に掛かるコストを2ポンド(300円)以下に抑えたいと思うのであれば、リーフは非常に効果的なクルマである。それは確かにニッチな市場向けのクルマかもしれないが、ユニークで満足できるドライビング体験をもたらしてくれるクルマでもあるのだ。

(ヒルトン・ホロウェイ)

日産リーフ・ヴィシア

価格 15,995ポンド(244万円)+70ポンド(10,700円)/月:バッテリーリース
最高速度 145km/h
0-100km/h加速 11.5秒
燃費
CO2排出量 0g/km
乾燥重量 1474kg
エンジン 電気モーター
最高出力 107bhp/3000-10000rpm
最大トルク 25.9kg-m/0-3000rpm
ギアボックス シングル・レシオ

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