日産GT-R NISMO

■どんなクルマ?

スカイラインのブランドを外し、ただの”GT-R”としてから6年の月日が流れた。この11月に2014年モデルのGT-Rが発表されたのだが、それと同時に594bhpを発揮するハイ・パフォーマンス・バージョンであるGT-R NISMOが遂に姿を表した。

GT-R NISMOは、1年に200台ほどの生産しかできず、英国には輸入されるのはそのうち数台となる。従って、強力なプレミアがつくことは想像に容易で、その本来の価格の£120,000(1,965万円)というプライスをすぐにオーバーした状態で市場で取引がされることになるだろう。

なお、このGT-R NISMOは、11月19日にニュルブルクリンクのノルドシュライフェで7分8秒679というラップタイムをマークしている。

GT-R NISMOは、車高こそ変わりないが、空力的にも大きなアプローチがされている。日本のスーパーGTで戦うレーシング・モデルからフィードバックされた ”下品な”リア・スポイラー、より広いフロント・バンパーによって、ダウンフォースは更に300km/h時に100kgもアップされたという。

シャシーは、フロントおよびリアのスプリング、特注のビルシュタイン製ダンプ・トロニック・ダンパーを装備。20×10.0Jにリムをワイドにしたフロント・ホイール、サイズアップした専用のハブボルト、専用のダンロップ・タイヤを装備。更に専用のアッパーリンクを採用しキャスター・トレールを拡大。そして、φ17.3 の中空スタビライザーをリアに装備する。

エンジンは、レーシング・モデルであるGT-R NISMO GT3に採用されている高効率大容量のタービンを装備。気筒ごとに最適な点火時期をコントロールする制御と、最適な燃料噴射量をコントロールするインジェクター駆動回路を採用した。これによって、スペック上のパワー、トルクは594bhp、66.5kg-mとなった。

■どんな感じ?

新たにNISMOがチューニングを施したGT-R NISMOだが、スタンダードなGT-Rに対してそのキャラクターが劇的に変化したわけではない。同じ6速のデュアル・クラッチを介して進むだけだ。しかし、シンプルにより力強くより速くなっているという感じだ。トルクは僅かに1.9kg-mしか増えていないが、より賢くなったECUと新しいタービンの影響もあって、そのギアからでも充分な加速を見せる。ターボ・ラグも全く感じない。そして、そのストレートでのパワフルさはもはや薄気味悪さを感じるぐらいのレベルに達している。

2014年モデルのスタンダードなGT-Rをドライブした後に、このGT-R NISMOのステアリングを握ったが、慎重にセッティングされた2014年モデルの倍はアグレッシブに感じる。

確かに重いクルマではあるが、そのコーナリングにおいて重さを感じることはない。標準よりも20kgも軽いカーボンファイバー製のバケット・シートのホールドの良さもそのフィーリングを助長する。ボディ結合部に通常のスポット溶接にくあえ構造用接着剤による補強がされたボディは、剛性の高さがしっかりと感じられた。

少なくともターマックの上では、このGT-R NISMOの並外れた能力を超える次元でのドライブは難しいといえるだろう。レース・モードにセットすれば、4WDシステムがリア・ホイールをうまくスリップ・コントールしてくれるお陰でアンダーステアもほとんど感じなかった。

■「買い」か?

短いサーキットでの短時間の試乗ではあったが、GT-R NISMOは約束されたとおりのパフォーマンスを見せてくれた。そう、スタンダードなGT-Rよりも高いレベルの。

しかし、このGT-R NISMOをニュルブルクリンクのノルドシュライフェでタイムを叩き出したのと同じモデルにするには、オプションリストにチェックを入れなければならない。その金額は恐らく£6,000〜9,000(98〜147万円)ぐらいになりそうだ。トラック・パックと呼ばれているそれらには、より強力なブレーキ・パッドと大きなリア・スポイラー、アジャスタブル・ダンパーなどが含まれる。

ただし、日産のエンジニアが語ったところによれば、そのノルドシュライフェでのラップ・タイムは実は二の次で、実際にはフィーリングとレスポンスが良くなっているということを重要視したとのことだ。

(ニック・カケット)

日産GT-R NISMO

価格 1,501万5000円
最高速度 NA
0-100km/h加速 NA
燃費 NA
CO2排出量 NA
乾燥重量 1720kg
エンジン V型6気筒3799ccツインターボ
最高出力 564bhp
最大トルク 66.5kg-m
ギアボックス 6速デュアル・クラッチ

 
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