アウディA4ウルトラ2.0TDI

■どんなクルマ?

25年前にアウディがTDIディーゼル・エンジンをリリースしてからというものの、従来型ディーゼル・エンジンのもつ可能性に、同社はまだまだ自信満々である。

TDIを組み合わせた23種類の ’ウルトラ’ グレードが来年中に全世界で販売され、そのうちの数種類が英国にも輸入される予定だ。

新しいA4ウルトラ2.0TDIは、2.0ℓのTDI エンジンを更に高効率かつ高出力化したモデルで最高速度は163ps、最大トルクは40.8kg-mを発揮する。

その結果、パワーとCO2排出量ではBMW3シリーズ 320d エフィシエント・ダイナミクスとほぼ互角、燃費に関しては23.8km/ℓのA4ウルトラの方がわずかに優位になる。

この新しいTDIエンジンは厳しさの増すEU6エミッション・スタンダードを見事にクリアし、選択的触媒還元(窒素酸化物を浄化する技術のひとつ)の恩恵を受けて真の ’クリーン・ディーゼル’ の称号を得たのだ。

■どんな感じ?

ギア比の工夫によってなるべく低い回転数を維持して経済性を稼ぐという公式は、A4 TDIe(136ps版ならば英国ではまだ購入可能)と同じだ。

高速化されたスタート・ストップ・システムと空力特性の向上を目的としたスポーツ・サスペンションによる低い車高はA4ウルトラ独自のスタイルとなる。

低回転での力強さはもちろんのこと、5000rpmまで滑らかにまわるエンジンを味わえば、経済性を全面に謳いながらも動力性能維持にも抜かりがないことがわかるはずだ。

エンジン・ノイズにも注意が払われており、110km/hあたりでは6速に入ったタコメーターの針はリラックスしきったかのように2000rpmにとどまっていた。

ステアリングに関しては特に驚いたり関心したりするほどではない。直線走行ではリニアではあるが活気には欠ける反面、コーナーが続く道では正確性と適切な重みを得ることができる。

とまあ秀でた才覚に欠けるステアリングの印象ではあったが、6速のマニュアル・ギアボックスは軽やかで、使っていて満足できる。ブレーキのフィーリングもすこぶるよく、効きすぎているという感じもない。

スポーツ・サスペンションはほんの僅かに落ち着きに欠けるかな、とも感じたが、今回のテストに選んだ滑らかなコースでは苦に感じることはなかった。ちなみに車高をひくめることを優先しているため、17インチのホイール1種類のみしかオプション選択することはできない。

225/50 17インチのタイヤは荒れた路面の凹凸よく吸収している。コーナーにてペースをあげた時にわずかながらロールがあるものの、それでもハンドリングは終始落ち着いている。

‘エフィシエント’モードにセットした時のレスポンスは、かなり湿っぽい。総じてフィルターがかかったかのようにダイレクト感に欠けるのだ。可変ダンパーが充てがわれていなければ、もう少し違った印象だったのかもしれないが、その点、ダイナミック・モードでのレスポンスはかなり歯切れのよいものとなる。

後方に貼られたエンブレムが標準モデルとの識別点となり、インテリアの整理が行き届いており、乗っていて快適な点はウルトラも共通だ。

ウルトラ専用のトリムや装備は用意されていないけれど、魅力的なプライス・タグが購入者を喜ばせる事になるのは保証済みだ。

■「買い」か?

エコという言葉に逃げていない、抜かりのない動力性能を味わえば、アウディA4ウルトラはギュッと中身の詰まったクルマだと感じるはずだ。賢明なチョイスだとおもう。

17インチ・ホイールと、DABラジオを含むアウディ・コンサートCDシステムが標準で装備される。こればかりは、あくまで基本的な装備に留まっている。

その他にはミラノ・レザーの内装や、ハードディスク・ベースのMMIナビゲーション・プラス、アウディ・ミュージック・インターフェイス、アウディ・パーキング・システム・プラスも選択可能だ。

高い質と、パフォーマンスを犠牲にすることなく成し得た経済性を欲するならば、アウディA4ウルトラが全ての問題を解決してくれるだろう。

(ジェッセ・クロッセ)

アウディA4ウルトラ2.0TDI

価格 £28,320(490万円)
最高速度 225km/h
0-100km/h加速 8.3秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 109g/km
乾燥重量 1540kg
エンジン 直列4気筒1968ccターボ・ディーゼル
最高出力 163ps/3000-4200rpm
最大トルク 40.8kg-m/1750-2750rpm
ギアボックス 6速オートマティック

 
最新試乗記

人気記事