アウディA7 3.0TDIウルトラ

■どんなクルマ?

2010年にアウディA7がデビューして以来、ファスト・バック・クーペの美しさと5ドアの織りなすハーモニーをもって市場を魅了し続けてきた。

そして2014年、その人気をさらに確固たるものにすべく、フェイスリフトを施し、さらに3.0ℓTDIウルトラ・エンジンと組み合わせることにより、A7の新たな門出と相成ったのだ。

272psの3.0ℓ TDIエンジンは大幅に進化を遂げ、効率と燃費においてより高いレベルへと駒を進めた。

とくに ’ウルトラ’ グレードであるだけに、燃料消費率とCO2排出量に関しては抜かりがない。燃費は先代の19.2km/ℓに対して、今回のモデルでは21.3km/ℓにまで進歩している。

CO2の排出量も同様に先代の136g/kmから122g/kmへと削減されている。さらにほかのウルトラと同じく尿素SCR(選択的触媒還元)を採用し、EU6エミッション・スタンダードも見事にクリアしている。

■どんな感じ?

エンジンには最適化が施されているが、単なるエコカーだと思わされることはない。それほどエンジンは力強く、柔軟性に富み、生き生きとしているのだ。足に力を込めてアクセルを踏み込めば、控えめではあるが低い唸り声をあげて反応してみせてくれる。

また110km/h前後で流す際に、エンジンの振動を認識することはない。つねに落ち着いた面持ちで2100rpm前後を守っているのだ。また、完全なる新設計の乾式Sトロニック・デュアル・クラッチがA7に初めて採用されているのだが、こちらの動作も俊敏で滑らかだ。

質が高いゆえ、どうしても色々なことを試さずに入られないのは心情というものだ。A7の履く255/50R19のピレリPゼロから発せられるノイズは穏やかで、路面の凹凸もしなやかにいなしていた。ウインドウ・ノイズが最小限に抑えられているのもよい。

ステアリングはドライバーをぞくぞくわくわくとさせるような要素はない。控えめに言うならば、リラックスした、と形容するのが適切だろう。交通量の少ない田舎道ならば、一定、あるいは安定しているといったところだ。九十九折では、頑強なグリップを発揮し、ボディ・ロールは最低限に抑えられている。

ドライブ・セレクト・メニューをダイナミックにセットすれば、全ての動作が研ぎ澄まされ、運転好きなドライバーはある種の興奮を覚えるはずだ。一方エフィシェンシー・モードでは効率を上げることを優先させるために、スロットル・レスポンスは無精になる。

フェイスリフトされた点は、シングル・フレーム・グリルやバンパーの意匠変更、また2本出しのテール・パイプなどに見て取れる。LEDヘッドライトは標準装備となり、対向のドライバーや歩行者を眩しがらせないよう個々のLEDが別々に動作するマトリックスLEDランプはオプションとなる。

もはやアウディにおいては恒例ではあるけれど、美しく豪奢なインテリアは、こちらのA7も例に漏れてはいない。しかし、筆者にとってはスポーティーな外観にウッドのトリムが組み合われている様子には違和感を禁じ得なかった。

アウディMMI(マルチメディア・インターフェイス)がインフォテインメント・システムに採用され、バング&オルフセンをオプションで選ぶこともできる。

■「買い」か?

英国では、税金の面でもオーナーに大きな利益をもたらしてくれる。

高いレベルの燃費、快適性、磨き上げられたデザインの三拍子が揃ったA7ウルトラは、特にビジネス・ユースを考える顧客の心を鷲掴みにするに違いない。

(ジェシー・クロッセ)

アウディA7 3.0TDIウルトラ

価格 £45,875(794万円)
最高速度 238km/h
0-100km/h加速 7.3秒
燃費 21.3km/ℓ
CO2排出量 122g/km
乾燥重量 1755kg
エンジン V型6気筒2967ccターボ・ディーゼル
最高出力 218ps/4000-4750rpm
最大トルク 40.8kg-m/1250-3750rpm
ギアボックス 7速デュアル・クラッチ

 
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