ゼノスE10

おそらく今までに聞いたことのないであろうゼノスというワードは、英国の新しいスポーツカー・メーカーの名前だ。

ただし私を信じていただきたい。ノーフォーク発の、小さいけれど会社としての様態をもつゼノスは、数ヶ月あるいは数年経てば多くの人の間でメジャーになる。なぜならこの、とてつもなく速い産物は、あるべくしてある。そう感じさせてくれたからだ。

また同時に、生産前のクルマをドライブする権利を与えてくれたこと、ならびに私がこの記事を書けることを光栄に思う。

’運転した感じがどうなのか’ を書く前に、まずはいかにしてゼノスのフレッシュなクルマが存在する運びになったのか、を話しておいく必要があるだろう。

この会社はロータス、そして最近ではケータハムに所属していたアンサー・アリ氏とマーク・エドワーズ氏という二人の独創的なアイデアによって生まれた。アリ氏は2005年から2012年までケータハムのトップを務め、エドワーズ氏はアリ氏の多くを支えた。

しかし2012年、トニー・フェルナンデス氏がケータハムを買収し、F1に名乗りをあげた時、アリ氏とエドワーズ氏は深呼吸をした後に、退社を決意。のちにゼノスを立ち上げたのである。

”すべての所作が情熱的で、ドライビングに熱中できるクルマ” という理念を元に、シンプルで手の届きやすいスポーツカーを作ることが彼らの最大の目的だ。

元ケータハムのエンジニアであるクリス・ウェストン氏という、もう一人の男のアシストもありゼノス・カーズは完成した。ちなみにウェストン氏はこの15年の中で私が最もよく知っているエンジニアである。

ではゼノスのクルマは他の群れとどう違うか? そして、どうしてこのクルマが近い将来活躍できると確信したのか。これには4つの理由がある。

1つ目。彼らはまず最初に価格を決めた上で、デザインと組み立てに入った。ちなみに価格は魅惑的な£24,995(435万円)。たいていの場合、メーカーは逆の流れでクルマを開発する。

2つ目。最初から2種類のグレードを据えた。さらなるパフォーマンスを求めるカスタマーとメーカーが長く寄り添えるようにするためである。すでに将来を見据えているのだ。

3つ目。スポーツカー・ビジネスの内外部事情に詳しく、自らの判断に細心の注意を払える人たちを数人雇用した。

4つ目。まだ販売していないにも関わらずカスタマー・キングを選定。これから購入し、所有することを考えているカスタマーにも、プロトタイプのテスト・プログラムに参加してもらおうというわけだ。

20年あまり、クルマに関することを書いてきたのだが、カスタマーを巻き込んでテスト・プログラムを行ったのは私にとって初めての経験だ。しかしこうして実行に移されたいま、どうして他のメーカーがこれをやっていないのか、不思議に思えてくる。

 
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