ポルシェ・カイエンS

公開 : 2015.01.20 23:55  更新 : 2017.05.29 19:04

■どんなクルマ?

新しいカイエンSに関するビッグ・ニュースをまず1つ。これまで使用していたV8ユニットは過去のものと相成り、新開発の3.6ℓのV6ツインターボが鼻先におさまることになった。

かのV8ユニットが400psと51.0kg-mを発揮していたのに対して、新ユニットは420psと56.1kg-mを発生する。排気量が小さくなったことにより、もちろん燃費の向上も約束されている。

サスペンションにも梃入れが図られ、エンジニアいわく£1,052(19万円)の可変ダンパーと、£2,379(42万円)エア・サスペンションのどちらを選んでも、幅広い快適性とスポーティネスを味わえるのだそうだ。

一目みてわかるほどではないけれど、エクステリアも新しくなっている。ドアやルーフの改良は未着手である一方、エア・インテークやテール・ゲートなど先代からの変更点は決して少なくない。

8速オートマティック・トランスミッションは先代から据え置きとなり、これまた同じくオン-デマンド方式の4WDシステムを介してパワーは車輪に伝えられる。

■どんな感じ?

先に言っておくが、感情に訴えかけてくるようなドロドロとしたV8の ’あの音’ はもう耳にできない。しかし件のV6は予想以上に活き活きとした様子で、どの回転域でも嫋やかに回っていく印象だ。

急にターボが効きはじめるようなこともなく、パドルを使えばNAさながらの爽やかな回転フィールを味わえる。わずかながらに高回転域のエンジン音が気になることもあるものの、強大なトルクが巧くもみ消してくれる。

多くの場合において、8速ATの変速マナーは文句なし。スポーツ・オート・モード時に、ややゆったりと変速をすることもあるが、パドル・シフトに切り替えれば、数字どおりのパフォーマンスを楽に得ることが可能だ。

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