スマート・フォーツー0.9 90ツイナミック

ただしまだ ’完璧’ という領域には到達していない。たとえばロータリーに侵入したあとに別の路線に勢いよくでなければならないようなシチュエーションでは、加速の際にわずかながらの変速の迷いが看取される。

また、ステアリングも改善の余地あり。入力に対する反応があまりナチュラルではなく、また高速走行時の重みがやや過剰に感じるのだ。速く正確ではあり、慣れれば問題はないかもしれないけれど、楽しさという点においてはあともう一歩だ。

ブレーキも同様に改善を望みたい。一番深く踏み込んだ際の踏み心地がいささか柔らかすぎるうえに、自分の予想する制動力と実際の制動力に少しずつのギャップがあるのだ。普段の買い物に使う程度ならば気にはならないけれど、少し速度をあげてゆけば自信がもてなくなる。

スポーツ・サスペンションはかなり硬く、荒れた路面のうえでは時に車体が跳ねることもある。不快に感じることが思ったよりも少なかったのは幸いであるが、果たしてこれほど締め上げるメリットがスマートにあるのか否かは議論の余地ありだ。

ただしこのおかげで高速道路の速い速度域では、どっしりと構えた安定感がある。当然このサイズのクルマゆえ、大型サルーンのような盤石の安定感は期待できないけれど、少しずつ修正打を与えてやることが面倒になることはなかった。

テスト期間中の、山坂道を中心とした複合サイクル燃費は15.3km/ℓ。特に努力をせずともこれよりうえの燃費はマークできそうだ。この燃費ならば満タンで534km航続できるから、小型車としては十分な値だといえる。

内装に用いられる素材の質感はどれも高く、ドライビング・ポジションも快適な類。高速道路を長らく走ったとしても疲れることがなかったのは、シートの他に、静粛性の高さも影響していることは明らかだ。

ドア周辺が音源となるウインド・ノイズの改善と、USB接続をしたスマートフォンの置き場を追加しさえすれば、キャビンはほとんど欠点のつけようがなくなるはずである。

独特なデザインが施された水温計やレブ・カウンターも、スマートらしいオリジナリティに溢れたキャラクターを与えている。

 
最新試乗記

人気記事