すでに、サーキットにおけるプロトタイプ版のインプレッションは済んでいるため、今回はテストの舞台を公道中心にしたいと思う。

テスト車両はレース用のダンパーを装着しているが、ギアボックスはオプションの6速MT(標準は5速MT)、ブレーキは強化版であり、ヒーター付きウインドスクリーンをつけたモデルだ。

すでに100ばかりの車体の嫁ぎ先が決まっているが、そのうちのほとんどが、今回のテスト車両とおなじス組み合わせになっているのだという。

■どんな感じ?

乗ってまず始めに感じるのは、他とまったく違うということ。

エリーゼはすべてがアルミ押出成形だっただけにシャープなエッジが特徴的だったのに対し、ゼノスはサーモプラスティック・タブを賢く用いるため独特な味わいになっているのだ。

現代的な味わいであるだけでなく、”あぁ、ドライビングを極めようとすれば、こんな仕立てがいいのか” と思わず唸らされるような感覚をもたらすのだ。

もちろんマクラーレンの寛容さとはわずかに異なるが、これから始まる高速テストに対して大いに期待がもてると感じた。

小物入れはないに等しいが、ドライビング・ポジションはパーフェクト。目の前の小さなスクリーンには選択中のギアと車速、回転数が映しだされる。

右肘のスペースはエリーゼよりも大きい。完全に肘がそとにはみ出すセブンに比べると囲まれ感は確保されている。

エルゴノミクスにも不満はない。また上屋が存在しない分、ドアがなくとも乗り降りは簡単である。

E10の場合、エアロ・スクリーンが標準となるが、写真のようにウインド・スクリーン(一般的なフロント・ガラス)を選ぶことも可能。あとづけ感がないのは、デザイン初期の段階から装着を想定していたからだという。