ジャガーE-タイプ・ライトウエイト

公開 : 2015.06.24 23:40  更新 : 2017.05.29 18:37

車重がわずか1000kgということもあり、345psという値がこれほど目まぐるしいものだったかと驚く。決して0-100km/hタイムを競うタイプのクルマではないが、加速力はかなりのものだ。

アシスト無しのラック・アンド・ピニオン・ステアリングは、操舵した分だけ向きを変え、ダイレクト感と大径のウッド・トリムは、まさにオリジナルのE-タイプそのものだ。

さすがにグリップは現代のクルマに劣るものの、コンベンショナルなロードカーに比べるとロードホールディング性能は高い。

前後にすらりと伸びる車体形状であるが、ロールはほとんどせず、フロントに荷重をのせたままアクセルを強く踏み込んでみるとズルズルと後輪が滑り始める。ややオーバーステアの傾向が強いが、テールをわざと暴れさせるような安っぽい演出は皆無だ。ダンロップ・タイヤのおかげで限界付近でもダンスを楽しめる。

5周を走ったのちに、デモ走行中のパッセンジャー・シートを体験して思った。

親切で、コントロールしやすいこのクルマは、まさにオリジナルのE-タイプ・ライトウエイトそのものだ。タップリとしたトルクと軽やかに回るエンジンのおかげで、あっという間に試乗時間が終わってしまった。

現代のクルマのなかで、E-タイプ・ライトウエイトのようなキャラクターを有したクルマは見つけられまい。

(スティーブ・クロプリー)


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