ボルボV40 T3 SE

公開 : 2015.09.09 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

今後のボルボの主力となるであろうT3は、2ℓ4気筒のボア82.0㎜はそのままに、93.2㎜のストロークを70.9㎜に縮めて、1.5ℓに小排気量化している。ダウンサイジングして過給する、いわゆるダウンサイジング・ターボ・コンセプトなのだ。

従来のV40のT4(1.6ℓターボ)は最高出力180ps/5700rpm、最大トルク240Nm/1600-5000rpmという、なかなかの高性能ぶりだったの対して、“Drive-E”のT3は最高出力こそ152ps/5000rpmと控えめながら、最大トルクは250Nm/1700-4000rpmへとむしろアップしている。アウディA3 1.4TFSIの1.4ℓターボは122ps、200Nm、BMW118iの1.6ℓターボは136ps、220Nm、メルセデスのA180の1.6ℓターボは122ps、200Nmである。T3は一目瞭然の力持ちだ。

旧T4の1.6ターボは6速デュアル・クラッチ・トランスミッションとコンビを組んでいたけれど、T3の1.5ターボはアイシンAW製の6速ATを組み合わせている。Drive-Eの狙いのひとつが燃費向上で、V40 T3ではJC08モード燃費で16.5km/ℓを実現している。環境にやさしいエコカー減税対象モデルということで、自動車取得税40%、重量税25%、翌年度の自動車50%がそれぞれ減税となる。

Drive-Eエンジンゆえ、当然直噴で、ダイレクト・インジェクションはD4同様、デンソー製を採用している。20MPaという高燃圧は200気圧、深海2000mでの水圧と同じで、ガソリン直噴ではトップレベルにある。高圧インジェクターは1回爆発させる間に3回燃料を吹くことができる。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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