ボルボV40 T3 SE

公開 : 2015.09.09 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

■どんな感じ?

ショート・ストロークになった分、回転が滑らかになった。1.5ℓながら、過給によって前述のごとくトルクは250Nmもある。テスト車は車重1490kgと、このセグメントとしては重めだけれど、なかなか速い。V40 T3には素と装備充実版のSEの2グレードあって、素が¥3,240,000、SEが¥3,740,000で、ちょうど50万円の価格差がある。ステアリングのパドルシフトのある/なしもそこに含まれる。

パドルシフトを持つ試乗車はSEである。ただし、パドルで変速しても、アイシンAW製6速ATはガンガンつないだりはしない。つまるところ、雪氷路に備えてあえて反応を鈍感方向に振っているのだろう。6ATはワイド・レシオで全般にギア比は高めだ。それによってもたらされる穏やかさが好きなひとにはまことにけっこうである。

その昔、ランチア・デルタ・インテグラーレに乗っていたサーファーのひとが、なんと赤いボルボのワゴンに乗り換えた。なんでまた、といぶかった私は訊ねた。「いや、いいですよ、ボルボ。楽チンで」とその人は言った。その意味するところがわかる今日この頃である。

とはいえ、V40の場合、ステアリングのロック・トゥ・ロックは目視で2.5回転。ギア比がそれほどスローなわけではない。初期の応答がやさしいのだ。その一方で、ステアリングホイール自体のパーツはV60などと共通に思える。V40のステアリングに手を添えていると、サイズの割に安心感がある。好きなひとにとってはたまらん楽チンさがある。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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