マツダCX-3 XDツーリング

公開 : 2016.01.18 23:50  更新 : 2022.12.12 21:29

  • 評判のCX-3だが、ココが気になるという声もマツダには届いていた。発進時のもたつき、リアのつきあげ、黒革内装を欠くことである。

  • その声に応じた今回のマイチェン。加えて、下記ディーゼル音対策を標準装備化、Fガラスの板厚増で静粛性を向上。つまり、外観も価格も変更なし。

  • CX-3購入者の約2割が選んでいたナチュラル・サウンド・スムーザーを全車標準装備に。このハードウェアだけでディーゼル特有のガラガラ音を抑制。

発売10カ月目にしてマイナーチェンジ。そのココロは、「常に最新の技術がショールームに並ぶべきだから」 ーー 2年目のCX-3はどう変わったのか。

■どんなクルマ?

昨年2月に発売された、ヒロシマ発の小型クロスオーバー。デミオと車台を共有しつつ、SUVっぽさをそこはかとなく醸し出した専用デザイン、国内はあえてディーゼル・エンジンのみに特化することで、いわゆるBセグメントでラテン的な異彩を放つ。駆動方式にFFと4WDがあり、国産としては珍しく6ATと6MTがそれぞれで選べる。

“欧米か⁉︎”

このディーゼル特化作戦が功を奏した、というべきか、国内のSUVの同セグメントでおよそ8〜10%のシェアを得ているという。

そのCX-3に、発売後わずか10カ月で商品改良が施されたのは日本の自動車メーカー的には極めて異例と言えるだろう。“Be a driver” キャンペーンにも見られるように、マツダはここへきて大手とは一線を画す路線を驀進する。まことに喜ばしい。

今回の商品改良は、“一括企画” という新たなコンプセトに基づくものだという。ヨーロッパの自動車メーカーのように、すべてのクルマで年次改良を積極的に行う。これまではすでにそのクルマを買ってしまったオーナーへの配慮が足かせになっていた。けれど、発売後も永続的に改良を加え、つねに新鮮であれば、マツダ・ブランド全体が愛してもらえる。そうなれば、下取り価格も上がり、初期型オーナーにもメリットがある。

人生において、かけがえのない存在になりたい。
クルマは単なる道具ではない。

という主張を、自動運転や燃料電池が次世代のキー・テクノロジーとして云々される21世紀のこんにちに押し出してきたことを寿がずにはいられない。
泣けるではないですか。

記事に関わった人々

  • 今尾直樹

    Naoki Imao

    1960年岐阜県生まれ。幼少時、ウチにあったダイハツ・ミゼットのキャビンの真ん中、エンジンの上に跨って乗るのが好きだった。通った小学校の校長室には織田信長の肖像画が飾ってあった。信長はカッコいいと思った。小学5年生の秋の社会見学でトヨタの工場に行って、トヨタ車がいっぱい載っている下敷きをもらってうれしかった。工場のなかはガッチャンガッチャン、騒音と金属の匂いに満ちていて、自動車絶望工場だとは思わなかったけれど、たいへんだなぁ、とは思った。

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