アウディS5

スリップとは無縁な一般的なコンディションであれば、フロントに最大で85%、リアに最大で70%の動力を伝達する。グリップ・レベルは、季節外れの雨が降ったポルトガルの道路でも高いと感じた。

一般的なオペレーションでは、前後それぞれに40/60でトルク配分が行われるが、いずれにしても、常に安心感があるのはたしか。裏を返せば楽しみに欠けるということになるが、それは予想どおりであった。

トランスミッションからも同様の生真面目さを感じる。ツイン・クラッチではなく、トルク・コンバーター式ATを採用したことで、変速の素早さと柔軟性が損なわれているように感じるのだ。

ドライブ・モードをアグレッシブなものに切り替えれば変速時にクラッチが切れたような動作を演出してくれるのはいいが、だからといって熱狂するわけではない。

3.0ℓV6 TFSIユニットも、かつてのエンジンのようなキャラクターの立ち方ではない。ただレスポンスは優れているし、トルクの強大さは明らかだ。それだけに、もう少し刺激的であれば、なおいいだろうと思う。

 
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