そう考えると、スイフト・スポーツは実に良心的なクルマだ。フォルクスワーゲン・ポロGTIより200kg軽いのもよいではないか。

ゴキゲンな4気筒ガソリン・ユニットをフロントに置き、特にテクノロジーに頼らなかったシャシーが前輪だけを回すという、ごくごくシンプルな構成が、ボディを重くしなかったのである。

プジョー205GTiとパワー・ウエイト・レシオが同じと聞けば、もっともっとスイフト・スポーツのことが好きになる。

ただ、時代は変わった。スイフト・スポーツだって時代に逆らうことはできない。スズキは次期スイフト・スポーツに1.4ℓブースタージェット・エンジンを搭載するだろう。そう、ターボ・エンジンだ。

フォルクスワーゲン・ゴルフIのGTI、クリオV6ルノー・スポーツ、フォード・レーシング・プーマと同じように、名車(=自然吸気を搭載したスイフト・スポーツ)は二度と戻ってこないのである。