凡庸? 辛口評価に要注意 チェコ発の売れ線、スコダ・オクタビアTDI

公開 : 2017.02.16 13:23  更新 : 2017.05.29 18:39

■どんな感じ?

ふたつに分かれたヘッドライトは「大柄で温和な外観にダイナミズムを加えている」とスコダは言うが、わたしにはひとつ前のメルセデス・ベンツEクラスにしか見えない。それに全体のデザインに対して浮いている。

一方のインテリアは、大きくなったインフォテインメントが収まるように変更されていることがひと目でわかる。バランスは悪くない。また、レイアウトも良好。ユーザー・フレンドリーな印象である。

FFのMQBプラットフォームを他の多くの車種と共有しているが、ホイールベースはフォルクスワーゲン・ゴルフより50mm長い。また、リアの横幅は、ゴルフのそれより20mm大きくすることで、居住空間を稼いでいる。

ハンドリングと乗り心地は凡庸。これを ‘飽きのこない’ と表現することもできるが、少なくともひとをうっとりさせるような類ではない。

また、凡庸さをエンジンが取り返すわけでもない。

試乗した1.6ℓTDI(115ps)と、1.4ℓTSI(150ps)は従順で、控え目なため扱いやすいものの、クルマを降りたら、どんなものだったか忘れてしまうエンジンだ。

前者は、どうしても6速ギアが欲しいし、後者は高回転域でうるさいのも問題。

これ以上書いても不満だらけになってしまうから、このへんでやめておきたいが、クルマに無関心なひとほど、このクルマと長く付きあえることはたしか。

なにかひとつでも期待すると、物足りなさを感じるのだった。

■「買い」か?

ほかにも落ち着いていて、長く付きあえるクルマはある。実用性や経済面で、このクルマに優っているものも見つけられる。

それでもわれわれが5つ星中4つ星をつけるのは、このクルマが ‘まともな製品’ だからだ。興奮はしないし、むしろ生命力を吸い取られるような気持ちになるが、製品としてはきちんとしている。

AUTOCARが恋に落ちるタイプではないものの、ふだんの乗りものとして、なにも期待しないならば買って損することはない。なにも期待しないならば。

■日本版編集部の見立て

単なる移動の手段、そして荷物の運搬の道具としてクルマを捉えるのであれば、この価格でこれだけの内容は星4つに値する。しかし、英国AUTOCARが言うように、クルマ好きにとってはひとつもときめきを感じないクルマ、ということなのだろう。


スコダ・オクタビア1.6 TDI SE L

価格 £22,485(319万円)
全長×全幅×全高 4659×1814×1461mm
最高速度 203km/h
0-100km/h加速 10.1秒
燃費 23.8km/ℓ
CO2排出量 109g/km
乾燥重量 1230kg
エンジン 直列4気筒1598ccターボ・ディーゼル
最高出力 115ps/3250rpm
最大トルク 25.4kg-m/1500rpm
ギアボックス 5速マニュアル


▶ 海外初試乗 / ホンダ・シビック1.5 VTECターボ・スポーツ
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